25.桐賀がしつこい…。〜桜凪side〜
あの後、何事もなく授業が始まった。
(頭が痛い…。熱も出てきたし…。)
朝は頭痛がするだけだったのに…。体が熱い、身体からは冷や汗が尋常じゃない量出てきている。だけど、大事な授業を休む訳には行かない…。イベントもやり損ねてしまったし、このまま早退する訳にも行かない。ああ、頭もボーッとしてきた……。
そんな事を考えていると、隣の席から声がかけられた。
「お、おい大丈夫か桜凪?」
「え?」
声の主は、忌々しき宿敵だった。すると彼は私の顔を見て血相を変えて
「お、おい!桜凪、お前めちゃくちゃ顔赤いぞ!?熱あるんじゃ!?」
と、言ってきた。
(まずい!気付かれた!)
コイツにだけは絶対に気づかれたくは無かった!何とか誤魔化さないと!
「え?いえ、大丈夫よ、別に、なんとも、無いわ。」
「いや、明らかに息遣い荒くなってるし、ちょっとフラフラしてるぞ。」
「な、なんとも、無いから、本当に、気にしないで。」
「ほ、保健室行くか?」
(し、しつこい…!…仕方ない!)
私は、引くのでなく彼を突き放す戦法に頭を切り替えた。
「い、いいわよ、これ以上、あなたに、借りを、作るわけには、いかない…。」
これで引いてくれないかなぁ…。そんな事を考えていたが、彼の行動力を私は嘗めていた。
「先生!」
え?
「ん?どうした桐賀?」
「桜凪さんが体調悪そうなので、保健室へ行かせてあげて下さい!」
「ちょ、ちょっと!」
(ま、まさか先生を巻き込むなんて!このままじゃ…!)
「む?桜凪、体調悪いなら保健室へ行きなさい。」
「し、しかし授業が…。」
「体調が悪いことは否定しないんだね?なら、大人しく保健室へ行きなさい。」
ぐっ…!先生めっちゃ紳士じゃん!
「…っ。わかりました。」
ここまで言われてしまったら仕方ない…。
「先生に付き添い頼むか?」
「いいわよ、そこまで、してもらわなくても。一人で、いけるわ。」
これ以上、私に絡んで来ないで。
「すいません、先生、保健室に、行ってきま…きゃっ!!」
その時、私の足が絡れ倒れそうになる。
(まずっ!!!)
私は反射的に目を瞑った。
しかし、身体には激痛ではなく、優しく包み込まれた感覚がした。恐る恐る目を開けると、私は彼に抱きとめられていた。
……!!!!????
(えっ!?え、えっ、え!?えっっえ!??!?)
「な、なにが大丈夫だ。倒れるくらいなら最初から無理すんなよ。」
ぼふん!!彼の顔を捉えた私の頭は、完全にキャパを迎えた。
「あ、あう、ご、ごめんなさい。」
「しっかりしてくれよ?」
恥ずかしすぎて顔が熱い。心臓も破裂しそうな程バクバクいってる。
「先生、桜凪の付き添いお願いできますか?」
彼が先生に、そう頼む。
「………。」
え?何その間は?
「いや、お前が連れてってやれ。」
「は?」
え。
「いや、構わないですけど、授業抜けて良いんですか?」
「ああ、今回だけ特別だぞ?」
「な、何の特別ですか…。」
「それに、彼女も私よりお前の方がいいだろう。」
先生がニヤニヤしながらそんな事を言う。
ドキッ
「そんな事ないと思いますが…。」
すると確認する様に、彼はこちらへ顔を向けた。私は、今の真っ赤な顔を彼に見せまいと、そっぽを向いた。そんな時、意外なところからヘイトがきた。
「おい、イチャイチャしてねぇで行くならさっさと行け。」
イチャイチャと言われてドキッとする。
(な、夏目??)
「久瀬…、分かったよ…。ん?イチャイチャ?」
そして、ようやく彼が今の状況に気付いた。
「わ、悪い!桜凪!」
「い、いや、別に。」
や、やっと解放された。
「はぁ、だからさっさと行ってこい。」
「は!はいぃ!」
夏目にそう言われて、私は桐賀に支えて貰いながら、保健室へ向かった。
この胸の熱さは熱のせいだ。きっと。
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