22.打倒!桐賀溱!〜桜凪side〜
時系列が少し前に戻ります。
「はぁ。」
私は自宅にてため息をついていた。
「何なのよ、あいつ。」
私は、今日消しゴムを貸してくれた。隣の席のモブこと桐賀溱について考えていた。
「あんなやつゲームにはいない…。私は100%攻略済だからそれは間違いない。」
ならば、やはり彼は転生者なのだろうか?だけど、あいつの行動理念が分からない。何を思って行動しているのだろう?
「私の邪魔をしたと思えば、私を助ける…。意味が分からないわ…。」
彼にとって私を助けるメリットと言えば…。私の信頼度や好感度が上がること。………ハッまさか!?
「私の好感度を上げて、私と付き合おうとしている!?」
私と攻略対象とのイベントを邪魔したのも、私と彼らが恋に落ちないようにするため!!そう考えれば…。
「いや、バカね…。どれだけ自惚れてるのよ私は…。」
私は洗面所の鏡に向かった。
「さすがヒロインね。やっぱり顔は良いわ。」
私は鏡を見るたびに毎回不安になる。何故なら作中のヒロインと私の性格はとても違っている。天然で清らかな心を持った、まるで聖女と言わんばかりの優しさと正義感を持ったヒロインに対し、私はと言えば、女子同士の関係の維持に嫌気がさして、オタク街道を真っしぐら。優しさと正義感のかけらもないような女だ。だから、いつも思う。私はヒロインとしてうまくやっているのかと…。
「ゲームのヒロインと性格も口調も似てないのよね…。」
だから、学校では優しいヒロインを演じている。うっかり、夏目との喧嘩は素が出ちゃったけど…。それもこれも全部…。
「全部あのモブの所為よ!」
そうだ、あのモブに夏目とのイベントを横取りされたんだ!
「もう怒った!ただでは済まさないわよ桐賀溱!そうと決まれば!」
私は自室に戻り、机の引き出しを開き、一冊のノートを取り出した。
「これを…こうして…。出来た!」
私はノートに「打倒!桐賀溱!」と書かれたノートを作った。早速、作ったノートを開き…。
「まずは、あいつに消しゴムを借りた仮を早々に返す…。どうしようか、あいつ如きジュースでも奢ってあげればいいか。」
私はこんな調子でカキカキとノートを埋めていった…。そして一時間ほど経って。
「よし!取り敢えずはこんなモノかしらね!」
うふふふ…。覚悟しなさい桐賀溱!私が貴方の化けの皮を剥いでやるわ!
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「ハックション!」
「どうした溱?風邪か?」
「いや、頗る健康だ。誰か噂してんのか…?」
「んー、そうじゃね。」
「適当だな春樹…、まあ良いけど。」
「それより早く次のボス行こーぜ!」
「はいはい。」




