1.転生したみたいです?
本日二本目の投稿です!
第一章 第一幕 出逢い編 始
「危ないっ!!!!」
キキィィーッとブレーキ音が鳴り響いた。すると体に軋む痛みが走った。そこで俺は、何故か察してしまった。
(ああ、俺は死ぬのか。ごめん、母さん。花蓮。)
最愛の家族に心の中で謝罪をして。俺の意識は途絶えた。
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「産まれましたよ。元気な男の子です。」
ん?何か声が聞こえて来る。誰の声だ?
「よく頑張ったな。美奈子!」
今度は、低い声が聞こえてきた。これは男の声だ。
「あぁ、私たちの子供なのね..。何て愛らしいの。」
今度は女の人の声だ。状況が掴めない。この声は何だ?この状況は何だ?俺は一体どうなったんだ?必死に頭を回転させる。
「この子の名前はどうする?」
「そうね。私と貴方の名前を入れて、“溱”なんてどうかしら?」
「溱か…。うん、俺たちの子供にピッタリの名前だ。」
溱?誰だ?いや、俺の名前だ。そうだ、俺はあの時トラックに轢かれて。死んだ………筈だ。ならこの声は何だ?この状況はどういう事だ?……………分からない。情報が足りない。……………ん?情報が足りない?おかしい。何故何も感じないんだ?俺はいまどうなっている?声が出せない?何故だ?…………いや、違う。俺は泣いているから声が出せないのか。…なら、何故泣いている?まさか………。
「なんて可愛い赤ちゃん。この子が私たちの赤ちゃん……。」
……………やはり、俺はどうやら赤ん坊になってしまったようだ。思考は回るが、それ以外はうまくコントロールできない。これは、転生というやつなのだろうか?分からないが、とりあえず大人しく情報を集めるとしよう。今できる事は、それしかない。俺は混乱しながらもそう考えるのだった……。