エルフ秘書に恋してる男の話
1
俺は 日向 哲也。
異世界で貿易会社の社長を勤めている。
俺は2年前まで大学を卒業し、貿易企業の中で屈指のブラック企業に入社してしまった非リアの男だったが……ある日、外回りをしている時に俗に言う異世界転移をしてしまったのだ。
別世界というのは言わずとも幾つかに存在して、中にはRPGのような世界もあるのも確かである。俺の転移した世界は貿易というのが存在している。
俺のいる国と他国で貿易するのだが定めていないせいか、とてもぐちゃぐちゃしている。
そこで俺は王様に出向き、貿易の特許を取得して貿易会社を立ち上げた。
最初は反対する者もいて時には殺されかけたが今は、友好的になり手伝う人も多数出てきたから。
社員制を起用し今日に至っている。
……そして、俺の天使と言うべき存在が現れた。
2
「社長、お飲み物です」
「ありがとう……何これ?」
「ゴキ○リのお茶です 」
「あっそうか……」
ショートカットで茶髪の彼女はフィオル、俺の秘書をしているエルフだ。
凛々しい顔と裏腹に笑うと可愛いその子に俺は恋をしていた。
「社長、2週間後に行うミーティングを何時から開始したら良いのかと国際部の主任からご質問がありました 」
「その日は他国の商人番台と商談するから17時かな 」
「承知しました。では国際部の方にはそうお伝えします……社長、少しはお休みになさって下さいね 」
フィオルが社長室から出ようとすると、俺の方を振り向き微笑んで言うとその場を去った。
……可愛い!
かっこかわいいってこういう事を言うんだなぁ……確かに俺は働き過ぎかもしれない。
これはブラック企業に働いていた名残かもしれない。
3
その夕方、俺は仕事を終え立とうとすると、妙な立ちくらみに襲われた。
……これが過労かぁ……。
どのぐらい経ったのだろう。
というか、床が柔らかくなってるのは何故だろう。
俺は徐々に目を開けると、そこにはフィオルが居た。
こ、これって!ひ、膝枕ってやつでは!
「社長、気づきましたか?ノックをしたのですがご返事がなかったので……勝手に開けてしまいすみません……」
「いや、良いよ。もしかして心配したのかい?」
「社長を心配しない秘書なんていませんよ 」
微笑んでる!可愛ぃぃぃぃっ!!
俺は立ち上がり窓を見るとすっかり夜になっていた。
「『ロック』」
フィオルが会社のドアに鍵を閉め二人っきりで帰るとフィオルは急に質もをしだした。
「社長、私がここに来たのを覚えていますか?」
「あぁ、覚えてるよ。君はとても頑張り屋だから俺はこの子なら秘書として頑張れるなって思った……」
「そうですか……あの社長、秘書の私がこれをするのはおかしいですけど……少し目を閉じてもらっていいですか?」
目を?何でだ?
そう思いつつ俺は目を閉じた。
「閉じましたか?」
「うん、閉じたけど……うっ」
すると俺の唇に柔らかいのが来てるのを感じた。
少しだけ目を開けるとフィオルとキスをしていた。
「お身体を大事にしてくださいね。社長はこの会社の顔なんですから……」
口付けが終わるとフィオルが俺を見てそう言った。
かわい過ぎかよーーーーーーーー!!!
俺は月の見える夜空に心で叫んだ。
( 終 )