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お題シリーズ

聖女に惚れてしまった

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2020/05/27



 神秘の象徴。

 奇跡の権化。

 慈愛の天使。


 この国の聖女様は、すばらしいお方だ。


 聖女様は、その身に宿す加護の力で多くの人の怪我や病を治してきた。


 この世界では、今暴虐の魔王が暴れまわってている。

 そのため、けが人が絶えないし、被害が途切れない。


 だから強大な癒しの力を持った聖女様は、そんな人達の希望だった。


「聖女様! 万歳!」「聖女様! 万歳!」「聖女様! 万歳!」


 もしかしたら王様よりも人気があるかもしれないくらいに。


 そんな聖女様は、汚れを知らぬ乙女でなくてはならない。

 そうでないと、力を発揮できないのだ。


 聖女様は、誰か一人が独占して良い存在ではないという事だろう。

 皆に平等に慈悲をあたえる。それこそが聖女様のあるべき姿なのだ。


 俺はただ、あの方の護衛としてその身を守っていれば良い。


「あの、〇〇様」


 けれど、二人きりになった時、聖女様がこちらに抱きついてきた。


「私と一緒に、逃げてくださいませんか」


 しかし、聖女様はこれまでの仕事に疲れきっていた。

 だから、ひっそりと暮らせる安息の地を求めていたのだろう。


 そこにいく相手として、彼女は俺を選んでくれたのだ。


 光栄だった。


 しかし、俺はぐっとその気持ちをこらえて、首をふる。


「なりません。その思いはどうか胸にしまっておいてください」


 一時の気の迷いのせいで、大勢の人が不幸になってしまう。


 きっと、聖女様にはまだやるべき事がたくさんある。


 路傍の石ころごときに躓いてはいけないのだ。


「今はただ、聖女として己の務めを果たしてください」


 俺は聖女様を拒絶し、胸に飛び込んできた彼女を引きはがす。

 涙をためた瞳から視線をはずし、その場を後にした。


 俺は聖女様の事が好きだ。

 しかしそれは禁じられた想い。

 今のこの世の中で、誰かが彼女を好きになってはいけないのだ。



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