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noisy  作者: 明日RUN
9/12

第8話:have an effect on


「わたし、洞窟の場所知ってます・・・」


部屋に入ってきたのは、先ほど料理を運んできてくれた娘だった。

腰ほどまである深い紫色の髪に、にび色の瞳―――

歳は俺と同じくらいか、それ以下か。

「あ、あの・・・」

「えっ!?」

「話、聞いていますか」

しまった、見惚れていたようだ。

「えぇと・・・あんたはさっき飯持ってきてくれた子だよな?」

「あ、はい。マカナと言います」

マカナと名乗ったこの子は、ぺこりと一礼した。

礼儀正しい、かわいい子と言うのが第一印象だった。

「えぇと・・・マカちゃんだね?さっきの話を詳しく教えてくれないかな」

シフトが身を乗り出して聞いた。

「あ、はい。なんか町の人たちから、洞窟を探していると聞いて、ここに来ました」

半開きの扉をゆっくりと閉めると、俺に向き直った。

「洞窟はこの町のみの秘密なのです。しかも、そこら辺の町人では知ることが出来ないくらいの」

「・・・」

「なので一つ、お願いがあってきました」



「わたしをあなた方の旅に同行させて下さい」



「はい・・・?」

驚かずにはいられないだろう。

この子は今、何といったんだ?

「それって、ぇぇと、つまり」

コルダがうぅんと唸って、確認した。

「洞窟の情報を教える代わりに、仲間になるっていうこと?」

マカナはにっこりと笑ってみせた。

いや、可愛いけどね。

「いやいや、桃太郎じゃねぇんだからさ。なんでこんなバンバン仲間増えんだよ!おかしいだろ」

マカナは少し悲しそうにうなだれた。

なんか・・・罪悪感・・・

謝ろうかとした時に

「どうしてだい?皆が知らない洞窟のことを知っていると言うことは、君は相当信頼されているんだろう?それを裏切ってまで何をしたいんだい?」

確かに・・・

3人の目がマカナで交わった。

マカナは迷っていたようだが、覚悟を決めたようで

「実は母を捜すために町から出たいのです」




「母は科学者でした。この町で魔族を倒すための水を作っていたのです。そして、作り出すことに成功したのです。しかし、喜んだのもつかの間、母は魔族に連れ去られてしまいました。聖水のことは既に魔王にまで伝わっていたのでしょう」

「それでお母さんを・・・?」

俺の言葉にマカナは淋しい笑顔を見せた。

「生きている可能性が少ないのはわかっています。しかし、わかっていても捜さずにはいられないのです」

母に逢いたいと言う気持ちが痛いくらい通じた。

そうだよな、逢いたいよな。

「しかしわざわざ町を裏切らなくても、事情を話せば・・・」

「この町では無理なのです」

「それってどういう・・」

《リーン、コーン》

町の中心部にある、鐘が鳴り響く。

マカナは慌てて、話した。

「す、すみません。もう、帰らなきゃ!」

「どうしたのよ、いきなり」

「すみません、詳しいことはまた、明日」

扉からじゃ間に合わないというように、窓から飛び出していた。

「よかったな、一階で」

そう、ひとこともらしながら、あわただしく出ていったあの子を思い出し、頬がゆるんだ。




「何よ、デレデレしちゃって」

コルダは自分にしか聞こえないように、呟いた。

この町に来てから、5日がたったが、そろそろ、モートとマカナに対する怒りに耐えられなくなってきた。

確かにマカナは可愛いし

スタイルいいし

気もきくし

話を聞けば、あの料理を作ったのも彼女らしいし、料理上手だし

それから、それから・・・

・・・・・・

自分は嫉妬をしているのだろうか。

楽しそうに話す2人を眺める。

傍から見れば、にらんでいるように見えているが。

(なぁによっ!)

やっぱりイライラする。

モートはデレデレしちゃってるし

マカナはモートにびったりだし

・・・・

原因はやっぱアレよね・・・

時は4日前に遡る。



「さて、昨日の話の続きなのですが」

マカナはあたし達を泉の前に呼び出した。

きれいなところだが、隠れスポットで人が来ることはあまりないらしい。

「わたしは、母のこともありこの町の科学者として、聖水を生み出しています。おそらく、母のようにもうすでに、わたしのことはバレているでしょう」

水面に皆の顔が映る。

ふと、水ごしにモートを見てしまう。

「なので、攫われないように町の人たちは、わたしを軟禁しているのです」

「だから、危険を冒してまでも外にでてぇんだな・・・」

モートは少し考える素振りを見せた。

「よし、わかった。一緒にいこう」

基本的にお人好しな彼は、頼まれるとNOとはいえない。

そこは良いところでもあるのだけれど・・・

「本当に!?ありがとうございます!」

やったぁとマカナは飛び跳ねた。

水辺の近くで。

ほら、学校の先生はプールの授業で言うじゃん。

水辺で走るなって。

「きゃああああ!!」

予想通りにマカナは into water だ。

そして、予想通りにモートも手を伸ばす。

「おい、マカナ!大丈夫か?」

「すみません、モートさん」

はしゃいじゃって、と言いつつ、マカナはモートの手を引き寄せた。

だが、不運は重なった。

「お?」モートも足を滑らせてドボンだった。



あの日からなんか2人の距離は近づいた気がする。

モートもずっと笑ってるし

「あはは、モートって面白いんですね」

気が付けば、マカナはよびすてにしてるし。

「あーくそっ!」

「気持ちはわからないこともないけど、女の子がそんなこと言うんじゃない」

振り返るとシフトがいた。

「ほんっとに仲良くなっちゃって」

また、出番減るじゃんと愚痴をこぼした。

「ま、それはそうと洞窟はあったの?」

「ああ、マカちゃんの言う通り森の立入禁止区域にあったよ」

「嘘はついてないのね」

怪しさは100%だけどと付け加えた。




「今日の夜、ここを出ましょう」

鐘が鳴り響き終わるとマカナはそう言った。

もう、覚悟は決まったようで、迷いはない。

「わかった。じゃあ、また」

俺は、軽く手を挙げて言った。

マカナは

「うん」と頷くと走っていった。

それを見えなくなるまで見ていると、コルダがぐいっと俺の服を掴んで、不満を述べた。

「モートッ!いい加減にしないと怒るよ!」

「な、なんで!?」

「本当に、殴りたいっ!」

そういって、殴って帰っていった。

「あだだ・・・なんだよ、あいつは」

そうすると、シフトが鼻で笑った。

「お前がマカナとベタベタだからじゃないのか」

「はぁ?」

シフトは俺の肩を叩くと

「わかってるよ。お前も一途な奴だってことは。だから、ちゃんと想いは告げたほうがいいぞ。気が付いたら、もう届かなくなる」

そう言い残し、立ち去った。

俺はその背中に

「・・・言えるかよ。何年一緒だったと思ってんだ。今更、この想いなんか」

言えない、と答えた。




俺達の支度が終えたくらいに、部屋の窓がマカナを迎え入れた。

「町人にはばれなかったか?」

「大丈夫。皆ぐっすり眠っています」

俺はシフトに尋ねる。

「洞窟はあったのか」

「ああ。森の端にな」

「あっていてよかったです」

嬉しそうに笑った。

でもこれは・・・

「いてッ」

後ろから蹴をくらった。

犯人はコルダだろうな。

「何すんだ」

「別に」

別になら蹴るなよな。

「・・・いくぞ」

再び窓を開けると、むやむやした気持ちのまま外へ出た。



町は驚くほど静かだった。

風の音さえ眠っているようだ。

俺達は急いで町の外への門を開けようとした。


「お待ちなさい」


「「「「!!!」」」」

後ろから現れたのは、町長と巨体の男たちだった。

「町・・長・・・」

「何をこそこそしているかと思えば、こういうことですか。マカナ、貴方には失望しました」

つい数日前、俺達を温かく迎えた人とは思えない。

その言葉は、とても冷たかった。

「今なら、まだ間に合います。戻って来なさい、マカナ」

「嫌ですっ!」

マカナは涙をこぼしながら、叫んだ。

「ただ、待っているだけの意味のない日を過ごすなんてもう耐えられない!これならお人形と同じだわ!わたしはお母さんに逢いたいの!待つんじゃなくて、逢いに行きたいの!!」

町長はそれを引き留めようとする。

「ならば、仕方がありません!」

合図だったのか、男たちが動き出した。

「ナイフ!お前は、門を開けろ!こっちは俺が押さえとく」

一番先に飛び出してきた、男の顔を蹴り飛ばしながら叫んだ。

「にゃろっ!!」

左の奴が拳を突き出すのをしゃがんで躱し、その腕を利用し、逆上がりで顎を潰す。

それで体勢を崩した男を投げ飛ばし、後ろにいた男2人を撃墜。

それで怯んだ隙に、あまりの男の腹に一発。

「おい!モート、開いたぞ」

「あぁ、こっちも終わったとこだぜ」

「町の男たちを一発で・・・貴方は一体・・」

町長の呟きをマカナが潰した。

「すみません、町長!わたし、行きます!お母さんを諦められないから!」

俺が外に出たところで、ゆっくりと門が下りてきた。

「だから、だからね」

彼女は内側に微笑みかけた。

「おばあちゃん、ありがとう。お元気で」



「ばいばい」



2人の縁を切るかのように門は彼女たちを区切った。

今回はコルダにもスポットライトをあてました。今回出てきたマカナはまた、この子も面倒を引き寄せてくれるのですが・・・この子には結構大切な役目を渡してあるのですよ、ふふふ。それでは次回もよろしくお願いします。登場人物の欄も見てくださいね★

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