第3話:the sorrow of parting
あれから数日間たった。
コルダは毎日見舞いに来てくれたが、お互いに口を閉ざしたままだった。
俺にいたってはコルダの顔すら見れずにいた。
あんなに喧嘩をしていたのが嘘のようだ。
俺は情けないが淋しくてしょうがなかった。
「退院おめでとうございます。包帯はきちんと替えてくださいね」
ニコニコした看護師が手を振る。
俺は一礼してコルダに駆け寄った。
「・・・行こうか」
相変わらず会話の少ない二人は、とりあえず家だったところに向かった。
目的は育ての親に会うことだ。
最後になるかもしれない。
お互い、言いはしなかったが覚悟は決めていた。
「おじさん、おばさん。親不孝な俺たちを許してくれよ」
二人分の十字架に言った。
コルダが前に出る。
「モート、これからあたしが言うことは忘れてね・・・」
「コルダ・・?」
彼女は静かに息を吸った。
「あたしは後悔しているの。なんで、なんで・・・」
首を振る。
考えを消すように。
「うぅん。違うよね。今更そんなこと言ったって遅いもん」
コルダは久しぶりに力強い目を見せた。
「あたし、強くなるから。もう、あんなことおきないように強く」
やはり親子だ。
俺も長い間一緒だったが、あんたらの血のつながりには勝てないや。
「・・・出発しない?ここにいたら心が揺れちゃう」
「ん、待って」
俺はズボンのポケットから小さな包みを二個取り出した。
「それは・・・」
「これを持っている限り、俺たちは一緒だ」
あの日買ったリングだった。
「皮肉にも今日はあの日だな。おじさん、おばさん、16年間ありがとう」
立ち去っていく二人を銀のリングが見守っていた。
負けないで、と。
俺たちはゴトゴトと動く箱の中にいた。
とりあえず、この国最大で首都である、アーテムに行くことにした。
まずは情報が必要だからだ。
「あいつは」
病院で久しぶりにコルダ話したことだった。
「この国にいる魔族を探していると言っていた。そいつを探しだせばきっといつか会える」
やはりコルダは普段はアレだが俺なんかより、何倍も頭がいい。
同じところに居たのにそんなことを少しも思い出せなかった自分が恥ずかしかった。
「うわっ・・・」
そう考えているうちに俺たちのはじめての馬車の旅は終わったのだった。
「うぇぇぇ、もう絶対のるもんかぁ」
真っ青な顔でコルダは倒れこんだ。
「まったくだ。俺も二度とごめんだからな」
俺が地面に座り込む。
・・・とほぼ同時にコルダは立ち上がった。
「わぁ、あれがアーテムかぁ」
その方向に目を向けると美しい街が堂々とたっていた。
ここから街はずいぶん離れているが、その両端は見えない。
それほどに大きなところなのだ、ここは。
「たしかにいいところだ」
家族で来れたらどんなに幸せか。
「・・・だめだな。最近どうしても暗く考えてしまう」
「ふぇ?なんか言った?」・・・一人ごとも増えてきたか。
コルダは大きく伸びをした。
「さぁてそろそろ行きますか」
「あぁ、そうだな」
俺もたちあがり、コルダのあとを追い掛けた。
首都の中は外どみた時よりもっと魅力的だった。
皆悩みのないような顔をしてる。
俺たちよりはずっと。
それは俺の勝手な妄想だろうか。
「いやぁすごいなぁ、まだまだ知らないことはたくさんあるんだね」
コルダはにこやかに言った。
数日前の悲しみに明け暮れていたのが嘘のように。
確かに前より明るくなった。
それはとてもうれしい。
だが、無理をしているような気がする。
気のせいならばいいのだが・・・。
「・・で、どこに行くつもりなんだ?」
コルダは、うぅむとうなっていった。
「あたしは情報屋を探そうと思うんだけど」
「情報屋?」
コルダは俺を見てコクンと見つめた。
「うん、この街にいるらしいって・・・新聞が」
「また鳥情報か。あんま信じるなって」
「でも!」
コルダは大きな声で叫んだ。
街の声たちが静かになる。
「いやっなんでもないですから!」
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
再び騒がしくなった。
コルダはため息ひとつついて、言葉をつなげた。
「いきなり、ごめん・・・でも、今はこれに頼るしかないのよ」
「・・・そうだな」
コルダの気持ちを考えられなかった。
こんな自分に腹が立つ。
「で、情報屋とやらはどこにいるんだい?」
わざとおどけて言ってみる。
心の中では自分をサンドバックにしていたけども。
「・・・わかんない」
「は?」
サンドバックもビックリだった。
わからないって・・・
「場所は?」
「・・・」
「名前は?」
「・・・」
「性別」
「・・・」
「・・・」
情報屋の情報がない。
つまりヤバイ。
「でも、手がかりならあるよっ!」
――――
――
―
「いやぁ、そうだろうと思ったけどさ」
目の前には高いビルがそびえ立っていた。
「だって、ここぐらいしかわからなそうじゃないの」
「だからって。・・・俺新聞嫌いなんだよ」
かなり昔のことだった。
俺はまだ子供で大きな仕事はできなかったけど、ひとつだけ任されていた仕事かあった。
畑仕事というやつだ。
それも5歳の子供がやるには少々キツい仕事であったが、他のものは料理、家畜、薪割りなどとできない、あるいは苦手なものだったのだ。
ということで畑を任された俺は毎日毎日世話をしていた。
ところが
新聞を見ていたときのこと。
俺はある記事を見つけた。『コレさえあれば毎日天国★これを作物にふりかければ一日で育ちます!』
今思えばあやしさMAXなのだけれど、当時の俺にとっては素晴らしいお知らせだった。
そのあとは、想像がつくだろう。
次の日には天国ではなくて、変色してしまった今晩の夕食がいたのだった。
「あんたまだそれ、きにしてたの?」
「当たり前だろ!俺の自腹だったんだぞ!」
コルダは、はいドンマイといって中にはいってしまった。
少し迷っていたが、俺もすぐに覚悟を決めた。
中は外で見たときよりも広く感じた。
その真ん中のところに女性がひとり座っていた。
「あのぉ、聞きたいことがあるのですが・・」
「はい、何でしょうか」
受付の女性は笑顔を崩さす言った。
「情報屋について教えてもらえませんか」
彼女はさきほどまでの笑みを消して、ため息をついた。
「え、あの」
「最近そういう人達多いんだよね。すごい迷惑」
あぁどうやらあの女性は、どこかへ行ってしまったようだ。
そう考える事にした。
「わたしも早く帰りたいから、さっさと引き返してくんないかな?あともう聞きにこないで」
口の悪いやつだ。
口の悪い相方が今にも殴りかかりそうになるほど。
だけど
「お姉さん、そんなこといわずにさ。俺等の話を聞いてよ。俺たち、少し情報屋について聞きたいだけなんだよ」
机の上に袋を置いた。
お姉さんは中身を確認すると
「・・・いいわ。話を通してあげる」
と分かってくれた。
コルダは不満そうな顔をしていたが。
「おまたせしました。」
今度は真面目そうに見える男性が現れた。
部長クラスかな。
「情報屋のことですけど、おそらくスラムにいるでしょう」
意外にあっさり話してくれた。
「いいのか?教えてもらっても」
部長は笑顔を浮かべた。
さっきのような作り物ではない。
「お金を渡すほど、聞きたいのでしょう?よっぽどの理由があると思って」
俺たちはきちんとお礼をいうと、スラムへと向かった。
1日で3話はきついです。やるもんじゃありませんよ。最後の方なんか日本語じゃないですもんね。すいません。オトンもオカンも勉強しろとうるさいですし。次からはもっと落ち着いてやりたいです。ゆっくり、気ままに・・・ね。 読んでくださり、ありがとうございました!




