国のココロ
人間が作った凡ゆるモノには心が宿る。
…そう。国もまたその一部だ。
今存在する国々は、どれも過酷な歴史を乗り越えてきている。もちろん、例外もあるけどね。
これから話すのは君の国と仲の良い"少年"の話。
世界において『極悪非道』と謳われた彼の本心さ。
俺を最初に見た奴は、必ず"不思議な少年"という。
何を以て不思議と呼ばれるのか。人間の心は複雑怪奇だ。
…だが、そんなのは全てどうでもいい。いずれこいつらはすぐに死ぬのだから。
嘗て神と謳われた奴も、誇り高き英雄達も、等しく俺の前で死んでいった。
人間と関わろうとすると、必ず孤独になる。
"国"はヒトから作られたってのにな……
皮肉な事に、俺達はいくら傷付いても死なない。
……死ねないと言った方が正しいか。
国が終われるのは滅ぶ時だけ。だがそれは国民達が許さない。
…そりゃそうか。誰だって、住処が無くなるのは嫌だもんな…
正直言って、俺は俺自身が嫌いだ。王も、民も、全てひっくるめて。
矮小な奴らに創られ、時代と共に変わる国民の信じる正義のまま突き動かされ、敵を殺し、潰し、滅す。
その為だけの"俺"ならば、存在して何の意味がある?
……なぁ、誰か教えてくれ。俺はあとどれだけ笑い続ければ良い?あとどれだけ罪を作れば良い?
あとどれだけ罪の無いヒトの死に様を見続ければ良い!?
もうこれ以上、ゴミみたいな正義論で俺を動かさないでくれ!!争いは何も生まないんだろ!?待ってるのは、ただの破滅だ!解ってるなら何で止めねーんだよ…!やめろ…やめてくれ……頼む……!!
───俺はもうこれ以上、無意味な正義の戦いで人が死ぬのは見たくないんだ───
……そんな戯言を隠しながら、俺は今日も血を浴びて嗤う。
この大戦が終結するその時まで、俺は極悪非道な最強国を演じ続けよう。
いつか、俺を終わらせてくれる奴が現れると信じて。
自我を無理矢理律してまで、"国民の正義のカタチ"を作る。
それも、何千年。
私なら3日で耐えられないですね。゜(゜´Д`゜)゜。