クリステル=アディール 6
「えー!僕と婚約できないかって??どういうこと。」
帰宅後、フィンの実家に訪問して私は相談した。
「婚約者候補から婚約者に確定するだけじゃない。フィンは、お姉さまが好きって知ってるから、ちょっとしたら解消してもいいの。殿下との婚約をなんとか先延ばしにしたいの。」
話を聞いたフィンは、あきれた顔をした。
「婚約者候補だったのも、王家からの依頼でこの前解消したじゃん。それに婚約するには、王家の承認が必要なんだよ?許可がおりるわけないよ。それに僕だって婚約したら、ナターシャ様になんて思われるか…」
「それなら、どうしたらいいのよ。」
「クリステルができることといったら、僕以外の誰かと駆け落ちするか、悪名を世間に流すか、王家のために特別なものになるかだね。」
「特別ななにかって?」
「例えば、王家のために利益をだせる存在になって殿下の婚約との材料にするのさ。」
利益…私だけにだせる利益といったら前世のあれやこれなんだと思うんだけど…
「まぁ、クリステルには無理かな?」
「やるわ!!私、研究者に応募する!研究者になって王家のためになにかをつかむ!」
「掴むって、何をさ?」
「それは……これから考えるわ。この前の授業覚えてる?卵のはなし。なんで、この国だけ卵で生まれるのか調査しようかと思って。」
「そんなの先人が既に調査してるんじゃないの?」
「そ、そんなの分かってるわよ。まだ解明されてなかったら大手柄じゃない。まずは、研究について調べてみないと。」
「それだったら、研究所にいったほうが早いよ。学園で研究所関連の求人がでていたよ。」
「それを早くいって!!」
さっそく明日、求人を見に行かないと…
「ただ求人は、学園に通ってる平民向けのものが多いんだよ。仕事しながら学園の教材費を自分でまかなえるようにするためのものだからね。ってクリステル聞いてる?」
私はこれから行おうとする、あれこれ考えてしまってフィンの注意を聞いていなかった。