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76.守るべきもの

 夜――賑やかな王都も静まり返る時間である。

 それでも一部の場所ではまだ賑やかなところはあるが、モーゼフ達のいる宿のある場所はとても閑静だった。

 宿から少し離れたところから、モーゼフ達はヴォルボラの様子をうかがう。

 ヴォルボラは待ち構えるように胡坐をかいて座っていた。


「……とんでもない違和感だな」

「うむ。だが、大きな問題ではない」


 モーゼフの隣にいるユースは呟くように言った。

 少女が一人――夜の都でああやって座っていたら確かに不自然にも見える。

 だが、おそらくは吸血鬼が判別するのは魔力の動きだ。

 必要なのは大きな魔力を持つヴォルボラが単独でいるという事実があればいい。

 近くにはグロウとフィールもいる。

 すでにこちらは臨戦態勢に入っていた。


「さて、ようやく反撃できるわけだ」

「グロウ、逸るのは危険ですよ」

「分かってるさ。油断はしねぇよ。あんたこそ、昨日はしっかり寝れたのか?」

「なっ、当たり前です! 旅行前の子供じゃないのですよっ」


 全身に鎧を着たグロウの言葉からは冷静さが伝わってくる。

 むしろ、緊張しているのはフィールの方に見えた。

 それをグロウが解そうとしているのもよく分かる。


(ほっほっ、良いコンビじゃのぅ)


 モーゼフは笑いながらその様子を見ていた。

 まだ、モーゼフは老人の姿でいる。

 ユースはモーゼフが故人である事を知らない。

 今回の戦いでおそらく、ユースには正体がばれてしまうかもしれないと考えていた。

 それでも、ユースはきっと目先の敵に集中できる男だ。

 モーゼフは後で必ず説明はするつもりだった。


「モーゼフ殿」

「ん?」

「勝てると思うか?」

「ほっ、お前さんからそのような事を問われるとはのぅ。発破をかけてやろうか?」

「いや……愚問だったな。俺達は勝つ――それだけだ」


 ユースが聞きたくなる気持ちも分かる。

 すでにオリハルコンの冒険者も吸血鬼の犠牲になっている。

 早い話、ユースと同レベルの冒険者ですら敗北しているという事実があるのだ。

 このメンバーでも勝てるという保証があるわけではない。

 それでも――


「ほっほっ、負けるわけにはいかんじゃろうて」


 モーゼフが負けてしまえば、二人を守れる者がまたいなくなってしまうのだから。

 だからこそ、モーゼフは敗北する事など微塵も考えていなかった。


「だが、いつ頃来るのかねぇ。結構時間は経ってると思うが」

「ヴォルボラさん、寝てしまいそうですが……」


 見ると、ヴォルボラがコクリコクリと首を動かし始めていた。

 どんな状況でもマイペースでいる事はむしろ尊敬に値するところだ。

 そんな微笑ましい様子のヴォルボラを見ていた直後――それはやってきた。


「なっ!?」


 フィールが驚きの声をあげる。

 一瞬にして、ヴォルボラのいた場所が闇に覆われる。

 エリシアとナリアのいる宿も含めて、だ。

 その場にいた全員が反応できないほどの速度での浸食――《結界》が出現した。

 そうして、すぐにその場では何事もなかったように同じ景色が広がる。

 そこにヴォルボラの姿はなかった。


「おいおい、いくらなんでも速過ぎだろ……!」

「これが吸血鬼の結界か……確かにこれは判別できないな」


 グロウが驚きの声をあげる中、ユースは冷静に状況を見据えていた。

 モーゼフも結界の全容を確認する。

 すでに視界には変わらぬ光景が広がっているが、その場所へ辿りつく事はできない。

 ただ見えているのは幻影の光景だけだ。

 その範囲はヴォルボラを超えて――その先の宿まで覆っていた。


「あそこにはエリシアさんとナリアちゃんが……!」

「そうきたか」


 モーゼフは即座に行動に移る。

 地面に降り立つと同時に、結界に覆われた空間へと手を伸ばす。

 結界に対して、モーゼフは巨大な魔力をぶつけて無理やり入口を作り出す。

 空間が歪み始めると、そこには人が一人通れる程度の穴が出来上がった。


「すまんが、先に行くぞ。わしの作った入口から来るといい」


 そう言ってモーゼフは結界の中へと入っていく。

 エリシアとナリアのいる部屋にも結界は張ってある。

 だが、わざわざ二人のいる宿を狙ったように吸血鬼が結界に含んだという事は――吸血鬼達の狙いに二人も入っている事になる。

 離れた場所でやるべきかとも考えたが、万が一のためにエリシアとナリアの近くにはいられるようにしていた。


「……まさか、二人を狙ってくるとはのぅ」


 パキリッと骨の音が鳴り響き、モーゼフの姿が骸骨へと変貌する。

 二人を守護する結界の内に、すでに侵入者がいる事をモーゼフは感じ取っていた。


   ***


 ヴォルボラは闇に包まれた空間で周囲を見渡す。

 結界に取り込まれた物だけがそこに存在している。

 ヴォルボラとその背後――エリシア達のいる宿がある事も分かっていた。


「やあ、可愛らしいお嬢さん。また会ったね」


 ヴォルボラの前に、闇の中から一人の男が現れる。

 漆黒のコートに身を包んだ男――古い時計塔で出会った男だ。

 だが、その時の雰囲気とは明らかに異なる。


「おやぁ、どうしたんだい。オレを睨みつけるような目で見て」

「睨みつけているから間違ってはいない」

「ハハハハッ、まったくその通りのようだねぇ。困ったものだよ。オレはサプライズというものが大好きなんだが……どうやら全てお見通しだったというわけだ。残念残念」


 睨むヴォルボラに対しても、男は大きな身振りでふざけた態度を続ける。

 ヴォルボラは様子を窺いつつ、警戒を怠る事はなかった。

 この結界を作り出したのは、目の前にいる男なのだから。


「さて、それでも自己紹介はしておこうか。オレの名はゼイル――《影血王》と呼ばれている男だ」

「影血……?」


 聞いた事のない名前だったが、《王》を冠する吸血鬼だという事はヴォルボラにも分かった。

 それは魔物でも同じ事だった。

 王を名乗るならば、それだけの自信と力があるという事だ。


「名前の通りさ。影を操る吸血鬼だ。喜んでくれて構わないよ? オレは吸血鬼としては最高峰の存在だ。そんなオレに君は見初められたのだから!」


 男――ゼイルは高らかに宣言する。

 いちいち演技がかった行動に苛立ちながらも、ヴォルボラは平静を装う。


「ふっ、馬鹿を言うな。お前を釣ったのは我の方だ」

「その通りだとも。オレは君に釣られた。君のその可憐さはそれだけの価値があるという事だ!」

「……話が噛み合わんな」

「いや、噛み合っているとも。オレの狙いは君だ。君がオレを誘ったから、オレはその誘いに乗った。罠だと分かっていながらね」

「なに?」


 ヴォルボラが眉をひそめる。

 ゼイルはにやりと笑いながら、ヴォルボラの背後の宿を見据えた。


「この前話しただろう。言う事を聞かない我儘な妹がいると。その妹がなんと、美しい銀髪をしたエルフを二匹見つけたというのだよ? 仕方がないから兄として、オレは彼女達もまとめて連れて帰る事にしたのだとも」

「まさか……」


 それを聞いて、ヴォルボラは振り返る。

 エリシアとナリアのいる部屋に、他に二人何者かがいる事が分かった。

 ヴォルボラは即座に部屋の方へと駆けだそうとしたが、それを遮るようにゼイルが前方に降り立つ。


「行かせないよ? 君はオレと愛し合おうじゃないか」

「……邪魔をするなッ!」


 怒りの咆哮が周囲に響き渡る。

 歯を剥き出しにしたヴォルボラが地面を蹴る。

 地面が割れるほどの勢いで拳を振るうが、ゼイルはそれを受け止めた。

 ヴォルボラが目を見開く。

 人型では力が制限されるとはいえ、常人ならば吹き飛んでいてもおかしくない威力だったが、それを片手で受け止められた。


「ハハハハハッ、いいぞ! 始めようではないか!」


 ゼイルは高らかに笑う。

 ヴォルボラとゼイル――ドラゴンと吸血鬼の戦いが始まった。


   ***


 エリシアとナリアは宿で留守番をしていた。

 モーゼフ達が吸血鬼と戦うために、今日を決戦の日としたからだ。

 エリシアにできる事は、モーゼフを信じて待つ事だった。

 ナリアが不安な気持ちにならないように、優しく頭を撫でてやる。

 二人でベッドに座りながら、モーゼフ達の帰りを待った。


「モーゼフ、いつ帰ってくるかな?」

「もうすぐ帰ってくるわ。だから、そろそろ寝ましょう?」

「うん」


 エリシアがそう言うと、ナリアは頷いて横になる。

 すっかり外も暗い時間だった。

 だが、窓の外を見たときにエリシアは違和感を覚えた。


「え……?」


 あまりに外が暗すぎる。

 街灯で町の景色が見えるはずだったのに、今は暗闇で外をうかがう事はできなかった。

 言い知れぬ恐怖を感じながらも、エリシアは窓の方へと近寄っていく。


「な、にこれ……?」


 真っ暗闇に染まった空間の中――離れたところでヴォルボラと対峙する一人の男が見えた。

 あまりに現実離れした光景にエリシアは驚いたが、それでもヴォルボラの姿を見てその名を呼ぼうとする。


「ヴォルボラ様――」

「聞こえないわよ。ここはもう別の結界の中だから」

「っ!?」


 突如、囁くような少女の声が耳に届き、エリシアは振り返る。

 そこにいたのは、黒いドレスと白いドレスに身を包んだ瓜二つの少女だった。

 エリシアは、その二人の姿に見覚えがあった。

 ドレスを身にまとったきれいな少女――エリシアとナリアにしか見えなかった二人だ。


「あ、あなた達は……以前に外で見た……」

「ふふっ、覚えていてくれたのね? 嬉しいわ」

「何者なんですか……?」

「私はイリーナ。吸血鬼よ」

「吸血鬼……!」


 黒いドレスの少女――イリーナは微笑みながらそう言った。

 エリシアは即座に部屋を見渡す。

 弓を手に取ろうとしたのだ。


「探しているのはこれ?」


 イリーナがそう言いながら、エリシアに弓を見せる。

 すでに武器は奪われていた。

 さらにもう一人――白いドレスの少女はナリアの近くにいる。


「私達に、何の用があるっていうんですか……?」

「うふふっ、あなた達みたいな可愛らしい子がね、私達は好きなのよ。ね、エレナ?」

「そうね、イリーナが目を付けたのはあなただから、可愛い妹ちゃんは私の眷属にしてあげるわ」

「眷属……? まさか吸血鬼の仲間にしようって事ですか……!?」

「その通り」


 エレナと呼ばれた白いドレスの少女がナリアへと近づいていく。

 エリシアはすぐにナリアの下へと駆け寄ろうとしたが、


「あら、動かないでくれる?」

「……っ」

(身体が……!?)


 イリーナの言葉を聞いた直後、エリシアの身体の自由が効かなくなった。

 何が起こったのか、エリシアの理解が追いつかない。


「うふふっ、初めて会った時にはもうあなた達は私達の物だったのよ。《誘惑(テンプテーション)》――あなたはもう私に逆らえない」

(そん、な……)

「さあ、跪きなさい」


 イリーナの言葉が耳に届くと、エリシアはその通りに膝をつく。

 身体がまったく言う事を聞かなかった。

 それでも、エリシアは懸命に抗おうとする。


「無駄よ。あなたはそのまま、妹ちゃんが眷属になる様を見届けなさい。一緒にあなたも仲間にしてあげるから、ね?」

「そん、なの……!」


 嫌だ――エリシアは必死に抵抗を続ける。

 それでも身体は動いてくれない。


(どうして……!)


 エレナがナリアへと迫る。

 ナリアの同じように、身体の自由が効かなくなっているようだった。

 ナリアの表情は怯えていた。

 けれど、それを必死に我慢しているというのも分かった。


「ナリア……!」


 妹一人守る力もない――エリシアはそれを痛感させられる。

 絶望感の中でも、エリシアは諦めなかった。


(私が、ナリアを守るんだ……っ!)


 そのとき、キィンという小さな音と共に、突然としてエリシアの身体を縛っていたものが解ける。

 何が起こったのかエリシアには分からなかったが、すぐにナリアの下へと駆け寄って抱き上げる。


「誘惑が解けた……? あなた、一体何をしたの?」

「はっ、はっ……」


 息の荒いエリシアを見定めるように見るイリーナとエレナ。

 ふと、その視線がエリシアの髪飾りへと向く。


「なるほど、解呪の魔具を付けていたのね」


 イリーナの言葉を聞いて、エリシアが髪飾りに触れる。

 モーゼフからもらった髪飾り――ちょっとしたまじないをかけていると言っていたそれが、エリシアの身体を動かしてくれた。


(モーゼフ様……)


 モーゼフはいつだって、エリシアとナリアの事を考えてくれている。

 エリシアに勇気を与えてくれるのは、モーゼフだった。

 ここにモーゼフはいない――それでも、エリシアは拳を握りしめて二人を睨む。


「妹に……ナリアに手出しはさせないっ」

「うふふっ、勇ましいのね。ますます好きになりそうだわ」

「イリーナ、可哀そうだから早くしてあげましょう」

「そうね、あなたではどのみち守りきれないのだから」


 コツコツと足音を立てながら迫る二人。

 エリシアはナリアを強く抱きしめる。


「おねえ、ちゃん」

「大丈夫、私が守るから、ね」


 方法なんて何もなかった。

 それでも、妹を守るためならば――どんな犠牲を払っても構わない。

 エリシアがそう思ったとき、変化が訪れた。

 ピタリとイリーナが動きを止める。


「あなた、成りかけているじゃない」

「……?」


 イリーナの言っている事は分からなかったが、エリシアの方を見て驚いている。

 心臓の音がひどく大きく聞こえて、視界の半分が赤く染まっていた。

 エリシアの左目の瞳の色が――赤色に変化していたのだ。

 言い知れぬ不安感に襲われながらも、エリシアはナリアを離す事はなかった。

 自分に何が起きているかも分からないまま、二人の吸血鬼は満足そうにエリシアを見る。


「素晴らしいわ。この二人はとてもいい眷属になるわよ、イリーナ!」

「そうね、エレナ。完全に成る前に、仲間にしてしまいましょう」

「……っ」


 エリシアは目を瞑る。

 迫る吸血鬼に対して、逃げる方法もない。

 ただ、怯えるナリアを強く抱きしめる。

 自分がどうなっても、妹だけには手を出させないように、と。

 そんなエリシアとナリアに、二人の魔の手が伸びていき――それが届く事はなかった。

 イリーナとエレナの腕を弾き飛ばすように、霧の壁が出現した。


「やれやれ、まさかこのタイミングで解けるとは」

「……え?」


 ふとそんな声が聞こえ、誰かがエリシアの身体を支えた。

 エリシアとナリアを抱えるように、人陰が背後に立ったのだ。


「モーゼフ、様?」

「いや、すまないな。あなたの期待を裏切ってしまう事になってしまうが」


 エリシアが振り返ると、そこにいた男はモーゼフではなかった。

だが、その姿には見覚えがあった。

 かつて、エリシアとナリアを狙った吸血鬼――ウィンガルの姿があったのだ。


「ウィンガル……!? どうしてあなたがここにいるの……!」

「あなたは姿を消したはずでしょう!」


 明らかに動揺した様子のイリーナとエレナ。

 どうやら吸血鬼同士、面識があるようだった。

 それに対し、ウィンガルが笑みを浮かべながら答える。


「私も今から言おうとしている事に驚いているよ。なにせ、私は彼女達を守るためにここにいるのだからね」

「私達を、守る?」

「ああ、そうとも」


 突如として現れた金髪の吸血鬼――ウィンガルは確かにそう言った。

 目の前に現れた吸血鬼はかつて、エリシアとナリアを襲おうとした存在だ。

 本来なら警戒するべき相手なのだが、その表情や声からは優しさが感じ取られる。

 不思議と、エリシアも警戒心を解いた。

 エリシアとナリアを守るように、周囲に霧が立ち込め始めている。

 ナリアの方を見ると、胸元にあったモーゼフのお守りが砕けていた。


(赤い石……吸血鬼を封印していたものだったんだ……)


 モーゼフがお守りとしていた物――それはウィンガルを封じていたものだった。

 それが今になって封印が解かれ、二人を守る者として目の前に現れた。


「どうして、私達を守るだなんて……?」

「疑問に思うのも無理はない。私も初めはそんなつもりはなかった。だが、以前ご老体に『お前さんは誰かを守りたいと思った事はあるか』と言われてね。当然、私はないと答えた」


 ウィンガルはイリーナとエレナに視線を向けたまま、言葉を続ける。


「『壊す事はすぐにでもできる。そうではなくて、見守ってみる気はないか』と言われたのさ。私に拒否権はないから、そうせざるを得ないと思ったのだが、あなたの妹――ナリアからよく話を聞かされたよ」

「ナリアから……?」

「ああ。あなたの事から、昔の話。他愛のない友達との会話も――そして、あなたがナリアを思う気持ちも、私はしっかりと見させてもらった。私の至った答えは、あなた達はこのウィンガルが初めて守るべき者に値するという事だ。なぜなら、この封印は誰かを本当に守りたいと思った時に完全に解除されるらしいからね。まったく、ふざけた封印を施してくれたものだ」


 ウィンガルはまた、はっきりとそう告げた。

 近くでナリアとエリシアを見て、そう感じたと言うのだ。

 ウィンガルの封印が解かれたのも、二人を守る意思があるからこそだった。


「そう、だったんですね……その、ありがとうございます」

「感謝の言葉は不要だ。なぜなら、まだここを切り抜けてはいないからね」

「あ、ははっ、突然現れて何を言い出すかと思えば、その子達を守るですって? あなた、そんな冗談が言えたのね」


 エレナの言葉に、ウィンガルが頷いて答えた。


「ああ、そうとも。私はこう見えて冗談が好きだよ」

「……っ! まさか、あなた一人で本当に私達と戦うつもり?」


 イリーナがそう問いかけると、ウィンガルが首を横に振る。

 その視線の先は、エレナとイリーナの後方にあった。


「それでも構わなかったのだが、私の出番はなさそうだ。この子達の保護者がやってきているのでね」

「なっ――」


 その言葉を聞いて、エレナとイリーナが振り返る。

 エリシアもその姿を確認する。

 ――いつだって、エリシアとナリアを守るためにその人はやってきた。

 ローブに身を包んだ骸骨、モーゼフがそこに立っていたのだ。

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平穏を望む魔導師の平穏じゃない日常
書籍版1巻が11/15に発売です!
宜しくお願い致します!
2018/10/10にこちらの作品は第二巻が発売されております!
合わせて宜しくお願い致します!
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