002
疲れもあってすぐに眠りにつく。
【・・・・よ・・・・た】
ん・・・・なんだ・・・・夢?
何か声が聞こえる・・・これは昼にも感じたあの声だ。
【我が・・・・よ・・・・よ】
意識が覚醒し、ガバっと起き上がる。
何なんだ、この声は?当たりを見渡すも何も問題がないように見える。
幸也【なんなんだよ・・・・まさかの幽霊屋敷とでも言うのか?俺そういうの苦手なんだよな・・・・】
俺は懐中電灯を手にし部屋から出る。
屋敷内を調べた結果全て戸締りは出来てるし誰かが侵入したような形跡はない。
だが・・・一点違和感というより確実に変な場所を発見してしまった。
何故か物々しい金属扉が一つ屋敷内に増えてるのだ。
幸也【こんな物なかったよな・・・・まだ寝ぼけてるわけでもないし・・・】
恐る恐る触ってみると冷たい感触があるので幻とかではないようだ。
どうする?開けるべきか?このまま放置して様子見するべきか?
ここで俺の悪癖が脳内で顔を出す。
:こんな面白そうなもの行くしかないだろ!:と
自分の第六感的なものも危険な感じはしてるが極ヤバって感じではない。
俺は覚悟を決めドアノブに手を掛ける。
ドアノブを捻りドアを引くとギギギギと音が鳴りドアが開き、俺は中を覗こうとした瞬間ドアへと吸い込まれてしまい意識を失った。
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どれぐらい意識を失ってたのだろうか?
俺が目覚めると何故かトンネル道のような所で目を覚ます。
なんなんだ・・・・ここは・・・・俺はいったいどうなったんだ?
ふと後ろを向くとなにか歪んでいる景色だが俺が吸い込まれた扉から屋敷の光景が見える。
何もなかったとはいえ、ここが安全とは言い切れない為俺は屋敷へ戻ろうと進むのだが、この歪んだ景色に何か嫌な予感がする。
俺は地面にある小石を広い歪んだ軽視へ投げてみる。
そこには俺にとって一番嫌な結果が待っていた。
小石は歪んだ景色へ近づくとその場にピタっと止まり地面へと落下する。
幸也【まさか通れない・・・・】
自分の体で試すのは最後の手段だ。
まずは来ていたシャッツを脱ぎ投げ込むもダメ、手に持ってた懐中電灯を投げ込むもやはりダメ。
覚悟を決め手を持っていくとなるでなにか透明の板があるような感触で通れない。
終わった・・・・。
俺は座り込み溜息を吐く。
この前やらかして左遷されたってのにまたやらかしてしまった・・・。
しかしここは何なんだ。
家にこんなトンネルがあるわけがないし、何か超常現象で時空の・・・・と考えてて馬鹿らしくなる。
ここへ吸っていても事態がよくなるとは思えない・・・なら逆に進むしかないな。
懐中電灯で道を照らし先へと進む。
分かれ道など見落としがないか確認しつつゆっくり進んでいると遠くになにかボンヤリした光っているものが見えてきた。
そこには1mほどの台座に何か光の膜?をまとった木箱の様なものがフヨフヨと浮いている。
俺は何故か無意識にそこへ手を伸ばす。
何にも起こらない?と思っていると台座の方から
"血族であると認証しました、バリアを解除します”
と発音され箱の光の膜が台座へと移り、箱は台座へ鎮座した。
木箱を開けてみると手紙の様なものと水晶玉が数個中に入っている。
そしてその手紙にはすごい達筆な字で”家族へ”と書いており裏に真田幸蔵と書いてある。
どういう事だ?高祖父は戦争で死んだんじゃ・・・・そういえば玲子おばあちゃんが言ってたな、高祖父が家に帰って来たのを見た気がするって・・・・。
まさか家に帰ってきた後に俺みたく迷い込んでしまったのか?
俺はその手紙を読んでみる。
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さて、いきなりだがこの手紙を読めているということはあなたは私の親兄妹、もしくは兄妹の子供達、遠い子孫かも知れないね、そして今とても困っているだろうと思う。
私は真田幸蔵と言う。
終戦後すぐに帰る予定だったがいろいろあって終戦後2年で我が家へ帰って来た時だった。
家は無事残っていたが家族は誰もいなかった。
亡くなってしまったのか、どこかへ集団疎開でもしているのか?
私は誰もいない家でついに帰って来たんだという嬉しさと誰もいない悲しみに包まれ眠りについた。
のどが渇き目を覚ますとなにやら声が聞こえてきた。
もしかして!と期待し家内を探し廻ったが誰もいない。
そして私は気づいてしまった、我が家にないものがあったのだ。
何故か金属製の重厚な扉が家内にあるのだ。
もしかしたらこの向こうに誰かが?と思い扉を開けてしまった。
そして何故か意識を失い気づいたときには暗いトンネルのような所へ私は転がっていた。
周りを見ると扉から歪んだ景色の家内が見える。
だが私は戻れなかった、何故かそこに見えない壁のようなものがあるごとく私の進入を阻んだ。
途方に暮れていると”ガラガラ"と玄関ドアを開ける音が聞こえタタタっと速足で歩く音が聞こえた。
そして歪んだ先に見えたのは玲子ちゃんだった。
私の名前を大声で呼び、いないの?と言っていた、目の前にきてもそれはかわらず玲子ちゃんにはあのドアもこちらの景色も見えない様だった。
どうやら前日帰って来た時に私を見たらしく訪ねてきたようだったが私がいない為勘違いだったのかなと俯き帰って行った。
どうやっても戻れない為、真っ暗だが逆方向へと進んでみた。
真っ暗でどういった所かわからない為距離的にはそこまでではないが1時間ほどかけて私は行き止まりへと辿り着きそこにはあの重厚な扉があった。
私は帰れるのか?と期待その扉をあけるとそこはなにやら石でできた神殿のような所だった。
こんな物日本にあるはずがないと私は思いつつ神殿から出てみるとそこには私には理解できない世界が待っていた。
どうやら森の中にいるようだった、そして神殿はやはり見たことも聞いたこともないものだ。
まあそれはこの際良いとしよう。
日の光を感じ空へ目を向けたときに見えたのは大きな島が浮いていたのだ。
そして何か大きな動物が飛んでいた。
これで私は理解した、私は神隠しにあったのだと。
その後森を彷徨いつつもどうにか開いた場所へ出ることが出来た私はそこでまた驚愕することとなった。
遠くから馬車の様なものがやってくる。
安全かはわからないが話しかけてみようとその場所を待ってると、まず馬ではなく恐竜のような生き物が荷車を引いているのにビックリし御者の人が二人とも普通の人間ではなかった。
一人は頭の上に耳があり腰あたりにシッポが出ている。
もう一人は体中にウロコがあるあとでしったのだが竜人という種族だった。
言葉がつうじず苦労したがなんとか指さし表現で馬車に乗せてもらい私は街へと連れて行ってもらえたのだ。
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手紙は三枚ありその一枚目を読んだだけでもとんでもない内容だ。
神隠し、現代風に言うとこれは異世界転移か・・・・・。
大きな動物が飛んでるってまさかのドラゴンかね?
ふう、続きを読んでいくか。
おもしろい、次回が気になるなど良いとおもったらブックマーク、画面下のポイントを入れて応援お願いします
少し重めの話も終えやっと本編がはじまります