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手紙


 アリアさんの親父ギャグで冷えきった流れを無視して、話を進める。


ギルドで受け取った手紙をアリアへ渡す。


手紙を受け取ったアリアは差出人や宛先を見て少し驚いた顔をする。


「もしかして、アリア宛でしたか?」


気になったのでアリアに尋ねてみる。


「懐かしい人物からの手紙だった。

 スー坊は元気しておるか?」


アリアが昔を思い出したのかその当時の呼び名で尋ねてくる。


「スー坊?」


思わず聞き返してしまう。


「おっ、済まなんだ。

 ウーン何だったか‥。

 あっ、スミス!

 確かスミスと呼ばれていた!」


アリアが名前を思い出したのか少し興奮した口調になる。


ギルドで詳しい話を聞いてきたので素直に知らせることにする。


「すみません。

 スミスさんは既に亡くなっているようです。」


俺の話を聞いてアリアが哀しそうな表情になる。


「そうか‥。

 スー坊も死んだのか‥。

 やはり長生きするのも良い事ばかりではないのぉ‥。」


アリアの長い耳がシュンと折れ曲がってしまっている。


うーん、こういう時に何か気の利いた事を言えればいいのに‥。


「ス、スミスさんもアリアに会って幸せだったと思いますよ。

スミスさんは寿命で死んだようですしアリアが落ち込む事はないですよ。」


気の利いた言葉ではないが、素直な気持ちを伝えてみる。


「そうだろうか‥。」


アリアの表情はまだ冴えてなかった。


「ワシはエルフの中でも長寿だからのぉ‥。

 誰もかれも先に死んでしまう‥。

 残されるのは辛い。」


アリアの表情を見て長生きする事が少しだけ怖いと思ってしまうのであった。

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