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チャンスです
「族長、大変です!」
エルフの若者が走りながら叫んでくる。
「次から次に‥。何があった?」
族長が機嫌が悪そうに対応してくる。
若者は気後れしそうになったが事の重大さがそれを許さなかった。
「ワイバーンの群れがこちらに向かっています!!」
若者の報告にその場にいた全員が固まる。
「ワ、ワイバーンの群れだと??
1匹でも大変なのに群れだと!?
何匹だ?」
族長の質問で若者に視線が集中する。
「10匹です‥。」
若者の報告に全員が絶望するのであった。
その頃、斗馬は‥
「斗馬さん、チャンスです!
チャンスですよ!!」
興奮気味の葵さんが少しウザい。
「チャンスって何が?
まさかこのタイミングで手紙を渡せとか?」
葵さんなら言い出しそうなので一応聞いてみる。
「あなた馬鹿ですか!
荷電粒子砲を撃つチャンスですよ!!
エルフの村を救うチャンスです!!
アイツらを駆逐するチャンスです!!」
イヤイヤ、駆逐したら駄目だろ!
「あっ、女神様から荷電粒子砲の砲撃許可が出ました!やったぁ!」
葵さんがはしゃいでいるが俺は荷電粒子砲を撃つプレッシャーを感じるのであった。