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本音
「私達の目的は、女性の地位向上です。」
サラは力強い目つきでパーラの目を見る。
見られたパーラも負けずとサラの目を見る。
「地位向上とは具体的にどうするの?まさか国王にとって代ろうなんて思ってないわよね?」
まさか国家転覆まで疑われてサラが目を見開いて驚いてしまう。
「そんなことは思っていません。今の目標はキール伯爵の後継を女性にすることです。」
パーラに疑われてしまったのでさすがに誤魔化すわけにもいかず、本音を喋ることにする。
「キール伯爵の後継者‥。あぁ、たしかラーナと言いましたね。」
パーラが何とかキール伯爵の子供の名前を思い出す。
「どうか協力してもらえませんか?」
サラがパーラに頭を下げてお願いする。
他のメンバーも遅れて頭を下げる。
パーラが目を閉じて何か考え事を始める。
話し掛ける雰囲気ではないのでパーラが発言するのを皆んなで待つことにする。
数分後、パーラの目がゆっくり開く。
「無理ですね。」
パーラの言葉を聞いて皆んなショック受け落胆している。
「話を最後まで聞きなさい!今のままでは無理ってことです。」
パーラの言葉に皆んなが注目した。