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 声を掛けてきた女性は苛立ちを見せながら睨んでくる。


 いや、マジで思い出せない。


 こうなったら、何かヒントがないか女性を観察することにする。


 顔は‥美人。

 可愛い系というよりは美人さんだ。

 ってか、この世界の住人は基本的に皆美人だ。


 服装は黒で統一されたドレス。

 所々にレースがあしらってあって、かなり高価そうだ。


 何処かのお嬢様??

 でも、お嬢様にしたとしても全身黒は異常な気がする。

 あと気になるのは黒のベールである。

 こうなってくると葬式帰りにしか見えない。


ギリッ


 中々思い出せない俺に苛立ったのか歯を鳴らす音が響く。


 そこである事に気づく。

 あっ、八重歯がかなり長い。

 それはまるで吸血鬼のように‥。


「あっ、あの時のヴァンパイア!!」


 やっと思い出せてモヤモヤが晴れ、思わず声が大きくなる。


「やっと思い出したかっ!」


 ヴァンパイアの女性が殴りかかる勢いで俺に向かってくる。


 アリア達が近づくなと警告するが止まらない。


「チッ」


 アリアは舌打ちすると詠唱を始めるが間に合わない。


ガシッ


 女性のヴァンパイアが俺に触れようとした瞬間、楓がヴァンパイアの顔を掴む。


「クソッ、離せ!」


 女性のヴァンパイアが楓の手を引き剥がそうとするがびくともしない。


「こうなったら‥」


 女性のヴァンパイアは楓の手を引き剥がすのを諦めると、身体の力を抜く。

 するとヴァンパイアの身体が段々と薄くなる。

 あっ、霧なって逃げるつもりだ。


 ヴァンパイアの身体は完全に霧となったが‥。


「なんでだ!」


 ヴァンパイアが叫ぶ。

 それもそのはず、ヴァンパイアは完全に霧になったのだが楓の手からは逃れられないでいた。


「お兄様、どうされますか?

 殺します?

 それとも消します?」


 楓が可愛らしい顔でドン引きするような事を尋ねてくるのであった。

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