目
「おはようございます、パトラ女王。
おっと、正確にはまだ女王ではなかったですね。
まぁ、半日後には女王になられるので問題ありませんが‥。」
ゾクゾクッ。
気持ち悪さに鳥肌が立つ。
それにしてもキモい!
普段は私とまったく目を合わせなかった元老院の男が気軽に挨拶をしてくる。
いや、キモすぎ!
コイツは女性を常に見下していた。
王の娘である私にも平等に。
コイツが私を女王と認めた???
これは天地がひっくり返ってもあり得ない。
何か大きな力が働いた??
あり得ない事が実現出来る力。
ここで私は考える。
そして、ある結論が頭に浮かぶが‥
だが、これ以上は考えないようにする。
理由は明確だ。
天地をひっくり返す力があるという事は、私の考える事もお見通しであろう。
下手に刺激して、相手を怒らせないようにしないと‥。
ふぅ‥。
私は深く溜息をつく。
まぁ、私にできることはこの流れに身を任せる事だけだろう。
ただ、私にも意地はある。
現状を知ることぐらいは行おう。
とりあえず、この男を探ってみるか‥。
「少し、質問なんだけど‥」
私はニヤニヤする男に声をかける。
「私が女王になるって言ってたけど‥
ずっと見下してきた女性の下につくのよ。
貴方は反対しないの?」
若干強めに睨みつけ。
さぁ、本性を表せ!
私は男の回答をまつ。
「反対?
とんでもない。
女性の下につく?
むしろ大歓迎ですよ。」
男は笑顔で即答する。
キモキモ!
その笑顔に吐き気がする。
ん?
あまり見たくない顔だが、私はある事に気がつく。
口元は笑っているが、目に感情がないのだった。