女王爆誕
朝、目が覚めると‥
私は女王になっていた。
「ごめんなさい。
ちょっと寝ぼけていたみたいで‥
もう一度言って。」
毎朝、私を起こしてくれるメイドの挨拶が気になったのでお願いしてみる。
「あっ、申し訳ございません。
もう一度ですか?
では‥
パトラ様、おはようございます。
今日は女王襲名の挨拶があるので、忙しくなりますよ‥‥‥
で、ごさいます。」
メイドが申し訳なさそう表情で応える。
「女王襲名???
誰が?」
思わず声が出てもれる。
「誰って、パトラ様が王になられるのですよ。
まだ寝ぼけてられますか?」
メイドは真顔だ。
確かに私の担当になって5年、この子が冗談を言うように思えない。
うーん
全く意味がわからない。
昨晩は側近たちを集めて、トウマ様を王にする手段を考えていたはず。
それが1日で覆るとは‥
「ちょっと待って!
私が王になれるはずがない。
元老院や他の貴族が反対するはず。」
私はメイドに詰め寄る。
「反対??
誰も反対などしておりません。
皆、パトラ様が王になられることを喜んでおられますよ。」
メイドはまっすぐな瞳でキッパリと答える。
‥‥‥嘘をついている目ではない。
一体何が起こっているのだ。
私は王になる事に、喜びより恐怖を感じるのであった。




