独寝
妹の楓はアリア達とも打ち解けたようで、終始和やかに過ごしていた。
「楓で積もる話もあるので、今日は1人で寝てくれ。」
いつもは誰が俺と一緒に寝るのか争いになるのだが、今日は違うようだ。
俺は久しぶりの独寝に少し寂しく感じるのであった。
「さて、今後について考えるか‥」
せっかく出来た自由な時間だ。
今後について、ゆっくり考えることにする。
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まず考えるべきはラルジェ帝国をどうするかだよなぁ‥。
王を失ったのだ。
さらに悪いことに後継者である第一王子まで‥。
このままでは跡目争いで、帝国は混乱に陥る。
これを避けるには第一王女であるパトラが王になるのがベストだが‥。
この世界ではまだ女性の地位は低い。
女性が王になるのは厳しそうだ。
「あっ、その件なら大丈夫ですよ。
パトラが女王になるのが決まりましたから。」
「うわぁ!!」
突然、耳元に声が聞こえて悲鳴をあげる。
「ちょっ、いつの間に部屋に入ったの?」
俺は突然の侵入者に尋ねる。
「え?
最初からいましたよ。」
侵入者である妹はケロッとした表情で応える。
「いやぁ、さすがにそれは‥」
妹の主張を否定しようかと思ったが妹の謎の圧に負け、これ以上は追及しないことにする。
「それより、何でココに?
アリア達と女子会してたのでは?」
妹に問いかける。
「そっちはサブに‥
あっ、皆さん急に眠くなったとかで‥」
う〜ん
サブって言葉が気になるが‥。
「そうなんだ‥。」
追求する気が何故かなくなったので、納得することにした。