妻として2
ピリピリとした雰囲気の中、葵が口火を切る。
「回りくどいのは面倒なので、端的に問います。
貴女は何者ですか?
少なくとも人間ではないはず。
悔しいですが、私の力では貴女を調べる事が出来ません。
先程の鍛治神様の様子から、何となく予想出来ますがね。」
葵は目の前の楓を上位神だと予測していた。だが、それを裏切る答えを聞くことになる。
『ふふふ
上位神ではありませんよ。』
葵は心の中をよまれて驚愕の表情になる。
「上位神!?」
予想だにしない言葉を聞いて葵以外はさらに驚きを見せる。
「だったら、神ですか?
いや、それなら私が調べられないのがおかしい。
上位神でないなら‥」
葵は予測が外れて動揺する。
『ふふふ
正解ですよ。
ほら、今少しだけ考えたでしょ?
その答えで合ってます。』
楓の言葉を聞いて葵が動かなくなる。
そして‥
葵は椅子から立ち上がると土下座の姿になる。
「も、申し訳ございません。」
葵が必死に謝罪する。
いつも冷静な葵が焦りまくる姿にNo.9達も唯ならぬ雰囲気を察して、同じように土下座する。
楓は全員の土下座を見て、抑えてきた神気を少しだけ解放する。
「クッ!」
楓としては針一本分の穴を開けた状況だが、葵達にとっては呼吸が苦しくなる程の力であった。