妻として1
伝家の宝刀の先延ばしを使った事で、楓の話は一応終わったようなので皆んなの元に戻った。
「お待たせ。
とりあえず、楓との話は終わったよ。」
アリア達に声を掛ける。
「そうですか‥
では、次は私達の番です。
斗馬は鍛治神様にバスを案内してあげてください。」
「えっ、今から?
いや、それは今じゃなくても‥」
「ほら、鍛治神様が楽しみにしているみたいですから。
早く、行って下さい。」
アリアの圧は断れる雰囲気ではなかった。
「わかったよ。
では、鍛治神様。
こちらに‥」
説得は無理そうなので鍛治神様を連れてこの場から逃げる事にする。
「あっ、楓さんは残って下さいね。」
アリアの声はどこか緊張しているように感じ取れた。
「わかりました。
では、お兄様を宜しくお願いします。」
楓が何故か鍛治神様に声を掛ける。
「おっ、わ、わかった。」
何故か鍛治神様はカミカミだった。
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斗馬と鍛治神が立ち去るとその場の緊張感が更に高まってくる。
アリア達はかなり緊張していたが、楓は逆にリラックスした様子でニコニコしていた。
「さて、お兄様に聞かれたくない話があるのですか?
ほら、そんなに怖がらなくても‥。
別に何もしませんよ。
葵にNo.9でしたっけ?
アリアさん達が話せそうにないので、こういう時にナビゲーションの貴女達が先導しないと‥。」
特に紹介した訳でもないのに名前やナビゲーションの事を楓が口にした事で、アリア達の緊張感は更に高まるのであった。