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信じない
鍛治神様が目と鼻の先で睨みつけてくる。こんな時に不謹慎だと思うが、至近距離で見る鍛治神様の顔はとても綺麗だった。
ドスッ!
突然、脇腹に痛みが走る。
!!!!!
叫び声をあげる程でない、絶妙に手加減された痛みであった。
「おい!
答えろ!」
なかなか返事をしない俺に痺れを切らしたのか、鍛治神様が怒りだす。
「あっ、待たせてすみません。
ただ‥
改造とか誰もしてません。
というか、誰もやろうと思ってもそんな技術はないです。」
バスを改造したと疑う鍛治神様に事実を伝える。
「なっ!!
そんなはずないだろ!
じゃあ、誰がこんな真似を‥
やっぱり何か隠してるだろ!」
鍛治神様は俺の言葉を信じてくれなかったようだ。さらに事態は悪化する。
「本当の事を言わないと‥」
激昂した鍛治神様が俺に掴み掛かろうとして、その恐怖で瞬きした瞬間‥
目の前に誰に殴られたのかボコボコにされた鍛治神様が立っているのであった。




