嫉妬
最高神様に恐れ慄いていると、女神様が俺の手を握ってくる。
「斗馬、私の部屋に来て。
もっとゆっくり話がしたいわ。」
女神様が笑顔で話しかけてくる。
あ〜流石女神様。
その笑顔を見るだけで心が安らいでいく。
ニヤッ
大人しくしていれば可愛いのに、女神様は最高神様に勝ち誇った表情を見せるのであった。
バーン
最高神様は終始笑顔であるが、背後から出る神気があからさまに増えだす。
「それでは、最高神様。
ご機嫌よう。」
女神様は俺の手を引くとその場を離れようとする。
チッ
その姿を見て最高神様が舌打ちするとさらに口を開く。
『行かせるわけないでしょ。
斗馬にはすぐに下界に戻ってもらいます。』
今度は最高神様が勝ち誇る顔になる。
何故、俺が下界に行くのに勝ち誇る顔をするのは謎であるが‥。
「はぁ?
少しぐらい天界に居ても良いでしょ!
あっ、わかった。」
女神様がニヤニヤ笑いながら最高神様を見る。
あっ、これは嫌な予感がする。
「女神様、待って。」
俺は女神様を止めようとしたが間に合わなかった。
「最高神様、もしかして嫉妬してます?
私に夫が出来て悔しいとか?」
うわー、ウザ!
思わず、ウザいと思ってしまった。
ゴーーー
最高神様は笑顔で何も言わないが背後の神気が渦を巻き、荒れ狂っている。
さらに最高神様は指を鳴らす。
「う゛」
何故か女神様が変な声を出す。
心配になって女神様を確認しようとするが、身体がフワフワしてくる。
あっ、これは転移させられる兆候だ。
「では、行ってらっしゃい。」
最高神様にフレンチキスされると下界に転移させられるのであった。
・
・
・
『はぁ‥
やっぱり寂しいですね。
早々に天界に呼び戻さないと‥。』
最高神様はポツリと呟くと女神に近づく。
『最高神を煽るとは良い度胸ね。
存在を消したいけど、斗馬が哀しむからそれは我慢する。
とりあえず100キロ太らせるから頑張って痩せてね。』
「う゛ぅ゛ぅ゛」
女神様は抗議しようとするが声が出せないのかうめき声になってしまうのであった。