寛大
「元に戻して下さい!」
『無理〜。』
「あったまきた、戻せや!」
『戻せですか?
最高神相手にいい度胸ですね?』
女神様の言葉に最高神様がキレたようだ。
ヤバい、さすがに最高神様を怒らせるのは得策ではない。
「最高神様!
女神様は私を取られたと勘違いしているだけです。
どうか寛大な処置を‥」
最高神に深々と頭を下げる。
『別に怒ってませんよ。
まぁ、確かに私に取られたと思わせたのは私が悪いですね。
女神よ!
私は斗馬を取ったりしない。
そもそもこの世の物は全て私のものだからな‥』
話の途中までは良かったが、最後の言葉で台無しだった。
「キィーー!
やっぱり取ってるじゃないですか!!」
女神様がさらにヒートアップする。
あ〜もう、こうなったら‥。
俺は発狂する女神様を抱きしめる。
そして‥
「大丈夫。
俺は女神様のものだから。」
俺の言葉を聞いて女神様の怒りがおさまる。
「斗馬、愛してる!」
女神様が目を閉じてくるので、それに応える。
『なんでしょう‥
とても面白くないですね。
何でしょう、この感情は‥
貴女の気持ちが少しだけ理解出来ましたよ。
私もこの男に興味が湧きました。
それに誰にも渡しなくない。
私だけを見て欲しいと‥
ふふふふふふ
これが嫉妬ですか。
あ〜面白い。
面白いですよ!』
最高神様がぶつぶつと小さい声で呟いているが、小さ過ぎて内容までは聞こえなかった。
・
・
・
「ふふふ
斗馬は私のもの。
最高神様、振られてやんの。」
ニコニコした女神様が俺の腕に抱きつきながら、不穏な事を口にする。
『マジで存在ごと消そうかな、コイツ。』
最高神様も不穏な事を口にする。
「まぁまぁまぁ、ここは寛大な心で!」
さすがにヤバそうなのでフォローする。
『貴方に悲しい思いをさせたくないので我慢しますが‥
貴方の為だからね。』
「ありがとうございます。」
一応お礼を言うが‥
やっぱり、最高神様の性格変わっている気がする。