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彼女達の戦い2
突然、第二王女と第三王女に声をかけられて驚いてしまいました。
ここは気を取り直して、挨拶をと‥。
「これはサラ様、ルナ様ではありませんか。」
とりあえず当たり障りのないやり取りを行う。
「それにしてもお二人が一緒なのは珍しいですわね?ルナ様は騎士団がお忙しいはずなのに‥。」
女だてらに騎士団ごっこをするルナが気に食わないので、少しだけ嫌味を付け加える。
私の言葉を聞いてルナが目線を落とした。
フフ、ザマァみろですわ。
次の標的はコイツだ。
私は一瞬だけ口角を上げるとサラと目を合わせる。
「サラ様が城内にいるのは珍しいですわね?いつもは何をしているのかは不明ですが、いろいろな所に出掛けていらっしゃるから‥。」
サラは短慮だと噂があるのでワザと怒らせるような事を言ってみた。
さぁ、どんな反応を示すの?
するとサラがクスッと笑った。
何だこの余裕は!?
私が困惑しているとサラは自分の長い黒髪をワザとらしくかき上げるのであった。