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説得

<女神side>


 電波の影響で画質が悪い中、斗馬の状況を見ていた女神は口を開く。


「斗馬に会いに行く!」


 その声は女神の悲痛な叫びのように天使達には聴こえていた。


 女神は下界に降りる準備を始めるがそれを邪魔する者が現れる。


『ならぬぞ。』


 それは上位神の声であった。


 天使達にもその声は聴こえたようで、その場ですぐに跪いた。


「嫌です!」


 女神は決意をもって上位神に逆らう。


 周りの天使は上位神に逆らう女神に目を見開いて驚いていた。


『まぁ話を最後まで聞け。

 此度のお前の働きを我らは高く評価しておる。

 その褒美として下界に降りるのも許可しよう。』


 上位神の言葉に女神が驚きの表情になる。


「だったら今すぐにでも!」


『だから、話を最後まで聴け。

 下界に降りてもいいが、今ではない。』


「何でですか!」


『少し黙っていろ!』


 度重なる女神の妨害に上位神がキレてしまう。


「う゛ぅ゛ぅ゛」


 突然現れた、バッテンの書かれたマスクによって女神の口は塞がれてしまう。


『説明するから少し冷静になれ。

 全くあの男の事になると‥

 せっかく成長したと喜んでおったのに‥』


 上位神が落胆の声をもらす。


『下界に降りても良いが、今すぐではない。

 その時が来たら、そなたを下界に送ると約束する。

 別に何百年も待たせる気はない。

 政にはタイミングがあるのだ。

 まぁ、我らを信じろ。』


 それだけを言い残すと上位神の声は聴こえなくなるのであった。


 ・

 ・

 ・


 上位神との会話が終わるとマスクは消えてしまう。


「よし、行こう。」


 女神は下界に降りる準備を再開する。


『いや、待てよ!

 我らの話を聴いておったか?

 さすがにそろそろ我慢の限界なんじゃが‥。』


 その後、上位神の説得は延々と続くのであった。

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