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妙案

<パトラside>


 帝国を救える唯一の案を宰相が口にする。


「正直に申し上げると、パトラ様が王になるのは無理です。

 これは能力の問題ではありません。

 今の帝国では女性が王になるのは受け入れられません。

 そうなると誰か男性を連れて来なければなりません。

 もちろん一般の男性ではダメです。

 最低でも他国の王子になるでしょう。

 ただ、他国の王子を迎えるのも簡単ではありません。

 帝国は敵を作りすぎました。

 周りは敵ばかり‥。」


 パトラは静かに宰相の話を聞いて顔色を悪くする。


「では、どうすれば‥」


 パトラが消えそうな声で宰相に質問する。


「他国が攻めてきそうな今、出来ることはただ一つ。

 トウマ様に王になってもらいます。」


 宰相が真剣な表情で答える。


「何故、トウマ様なのですか?」


 トウマの名前を出されて、パトラは正直喜んでしまった。

 一度は諦めた相手だ。

 これほど嬉しいことはない。

 一瞬、笑みが溢れそうになったが必死に我慢する。


「現状を救えるのはトウマ様しかいません。

 その理由を今から説明します。

 ただ、パトラ様には辛い内容になるかもしれませんが‥」


 宰相がゆっくり話しだす。


「今回の事件はレイモンド王子とロドス騎士団が王位をねらった謀反と発表します。」


 特に反論するような話ではないので頷く。逆に事故死などの理由にされる方が嫌だった。


「その後、王がその責任を取って自害したことにします。」


 宰相の言葉にパトラは目を見開いて驚く。


「もちろん、この事を発表すれば民は混乱します。

 他国もこれをチャンスと思うでしょう。

 ただし、この話には続きがあります。

 後継がなく混乱する帝国を救うため、トウマ様が王になるのです。

 もちろん、パトラ様が王妃になります。」


 宰相の言葉に複雑な気持ちになるのであった。

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