始動
<ヴァンパイアside>
ハハハハハ
帝国の王を取り込んでやったぞ!
これで復讐を果たせた‥
後は怪しげな鎧の人物に殺されるだけだ。
やっと皆のもとに向かえる。
さぁ、その剣で我にとどめを!!
<斗馬side>
!!!!
何で肉塊の中に女性が??
それに何で笑って?
肉塊の中の女性は笑っていた。
他の吸収された人とは全然その表情は違っている。
何だ、この気持ちは‥
このまま、あの女性を殺していいのか?
<葵、No.9side>
「お疲れ様。」
No.9が戻ってきたルンルンバ3台に労いの言葉をかける。
ただ、そのルンルンバ3台のボディーは返り血を浴びて真っ赤に染まっていた。
「ゴミは全て片付けました。」
No.9がバスに待機していた葵に戦果を報告する。
「さすがです。」
終始険しい表情の葵が笑顔を見せる。
「斗馬さんは無事でしょうか‥」
この場にいない斗馬の心配を‥
ブウォン!
いきなりバスがアクセルを吹かせる。
突然の事で唖然とする。
「No.9!」
葵がNo.9に声をかけて、バスに飛び込む。
ガシャ
バスが勝手に扉を閉めてしまう。
葵は運転席を確認するが、やはり誰も乗っていない。
「何で動いてるの??」
勝手に走り出したバスに戸惑うのであった。
<斗馬side>
クソッ!
動け!
今、まさに光り輝く女神の剣が肉塊に振り下ろされようとしていた。
もう先ほどの声は聞こえない。
誰も助けてくれない‥。
俺は無力だな。
バスを運転する事しか出来ない‥。
何で剣なんか握ってるんだ?
あの女性を殺したくないのに。
俺に力があれば‥
力???
あっ、俺には‥
バスがあるじゃないか!?
女神様からもらった最強のバスが!!
頼む!
今からこっちに来てくれ!!
相棒!!
女神の剣が振り下ろされるのであった。




