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合成獣

<ロージーside>


 ヤバい、ヤバい、ヤバいのだ!

 兎に完全に主役の座を奪われているのだ!

 古巣への復讐も全てだ。


 ロージーが焦る最中もミーが魔法使いを屠っていく。

 詠唱前の魔法使いの頭を蹴り飛ばす。


 兎の身体は返り血で真っ赤なのだ!


 マジで怖いのだ!


 このまま、魔女っ子三姉妹の出番がないのかと思われたが、ソレは突然現れる。


「やめろー!」

「たすけて!」


 魔法兵団の魔法使い達の悲鳴が聞こえだすとソレが姿を現す。


「合成獣‥」


 いろいろなモンスターを掛け合わせて造られたソレは見るからに不気味だった。


 見た目は肉塊で、いろいろなモンスターの頭部や角、尻尾が所々に生えている。


 肉塊は身体を引きずりながらこちらに近づいてくる。


「たすけてくれ!」


 魔法使いが触手に捕まるとそのまま吸収されていく。

 その後、吸収された場所にその人間の顔のような模様が浮き上がってくる。

 確かによく見ると肉塊の表面には、沢山の人の顔のようなものが浮かんでいた。


「気持ち悪いのだ‥。」


 今まで沢山のモンスターを見てきたが、これほど大きくて気持ちの悪いものを見るのは初めてだ。


「コイツ!」


 兎が止める間もなく、肉塊に攻撃を仕掛ける。


ドゴッ


 兎の蹴りが肉塊に直撃する。


「え?」


 蹴りが全く効いていなくて、兎は驚いている。


 もちろん肉塊がそれを見逃すはずもなく、触手が兎を襲う。


「ファイアアロー!」

「ファイアボール!」

「ウインドカッター!」


 三姉妹があらかじめ詠唱していた魔法を触手に叩き込む。


 魔法が直撃した触手は千切れて地面に落ちる。


「ありがとう‥。」


 助けられた兎がこちらまで逃げてくると悔しそうな顔で謝ってくる。


「まぁ、なんだ‥

 そう悔しそうな顔をするな。

 お前は良くやった。

 いや、少しやり過ぎだが‥。

 コヤツの相手は我らがする。

 お前は主人の援護に向かえ。」


 言葉をかけられた兎は驚いた顔をするが、すぐに真顔になると1人走りだす。


「死なないでね。」


 去り際に兎が声を掛けてくるのであった。

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