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真相

神side


「お主らはどう思う?」


 最上位神が他の神に問いかける。


「あきらかにおかしいかと‥。」

「あり得ない。」

「別人のようです。」


 次々に飛び出してくる言葉はどれも不穏なものばかりだった。


「私もおかしいと思う。

 今までの女神なら帝国を滅ぼしているはずだ。それが神像に血の涙を流させて不穏な空気を演出し、国境の壁を砂に変え心理的に追い込んでしまった。

 誰ひとりと殺さず、ここまで帝国を追い込むとは‥。

 食料や水を狙ったりして、帝国民を追い込んだりしないやり方も◎だ。

 正直、出来すぎていると思っている。

 私としては女神が成長したと考えたいのだが‥。

 今までが今までだったからなぁ。」


 最上位神が難しい顔になる。


「せ、成長したのかもしれません。

 ここは暖かく見守っていきましょう。」


 結論としては見守る事になったが、殆どの神は何となく腑に落ちていなかった。


 ・

 ・

 ・


女神side


「あっ、女神様!

 書類が落ちましたよ。」


 お付きの天使が女神が落とした書類を拾って渡す。


「ありがとう。

 とても大事な物だから助かったわ。」


 女神が天使にお礼を伝える。


「そんなに大事な物なんですか?

 女神様は基本的に仕事をサボってばっかりなので、仕事関係ではないと思いますし‥。気になりますね。」


 天使がしれっと女神に失礼な事を口にする。


「誰がサボってばかりよ!

 私だってちゃんと仕事してるわよ!

 あ〜やる気なくなった。

 誰かさんのせいでやる気なくなった。」


 女神が書類を机に置いてソファーに倒れ込んでしまう。


 あっ、これってチャンスでは?

 すぐに女神が寝息をかきだしたので天使は気になっていた書類を盗み見る。


 書類を見た天使は思わず絶句してしまう。

 書類には女神様が愛する男の細か過ぎるデータが書き込まれていた。

 何を食べたのか、トイレに何回いったのか‥エッチの回数までも書き込まれている。

 さらには今後起こり得る事、それに対する対処方法までも書き込まれていた。


 あっ!

 今話題になっている帝国に対する罰までも細かく指示が書き込まれている。


 ゴクリ


 あまりの精度に思わず唾を飲み込んでしまう。


 さらに読み進めようと書類をめくると何故か文字がぐちゃぐちゃになって読むことが出来なかった。


「まさか、暗号化までするとは‥。」


 驚愕した天使は読むのを諦め、書類を机に置こうとして誰が聞いたのか気になってしまう。

 ダメ元で書類を裏返してみると、小さく筆者名が書いてあるのを見つける。


 ヨシ!

 思わず喜んでしまう。


 さぁ、こんな細かい書類を作りあげた作者はだれなのか‥。


 そこには斗馬に付き添って葵と名乗っている同僚の名が書き込まれていた。

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