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密談4
「そういえばキール伯爵が病床に伏しているらしいですが‥。」
ソフィアが何かを思い出したのか話し出した。
「そうなんですか?」
サラはその事を知らなかったのか少し驚いていた。
「キール伯爵のお子様はたしか‥。」
ソフィアが表情を曇らせながら言葉を発する。
「2年前に病死されています。」
サラも思い出したのか表情を曇らせた。
「キール伯爵のお子様は確か男性と女性でしたね‥。亡くなったのは男性の方ですから‥。」
男社会の世の中、女性が跡を継ぐ事が出来ないのでキール伯爵のお子さんを不憫に思う面々であった。
「女性が跡を継ぐのは難しいですかね‥。」
リリスがボソっと呟く。
「お父様は大丈夫だと思いますが、他の貴族が反対するでしょうね‥。」
サラが悔しそうに呟く。
「先程話しましたが、奥方に恩を売って何とか賛成してもらうしかないですね。」
全員の気持ちは一つになっていた。




