女神の怒り1
トウマとパトラ王女が馬車の中で会話していた頃、天界は荒れていた。
「これはどういう事?」
度重なる下界への干渉がとうとう上位神に知られてしまい、女神はこってり絞られていた。
精神的にボロボロな状態で自室に戻ると今度は天使からの斗馬に関する報告を耳にする事に‥。
帝国が斗馬にした事が事細かに女神に知らされる。
人質を使っての斗馬へのやり口に激怒した。
ただ、いつもの女神と違ったのはすぐに報復すると言い出さない事だ。
確実に下界に向かうと言い出すと思っていた天使は拍子抜けしていた。
もちろん、女神が何をしない訳がない。
女神は自室を出るとゆっくり最上位神の元に向かった。
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「このような愚行を許す訳にはいきません!
どうか、帝国に罰をお与え下さい。」
女神が最上位神に訴えかける。
最上位神の周りには上位神も集まっていた。
「下界に干渉するのは駄目だ。」
上位神の1人が反対する。
「干渉ではありません。
帝国に教育するのです!
神の使いである使徒を蔑ろにした場合、どのような罰を受けるのかを。」
女神が力説する。
いつもは殴り込んでくるばかりの女神が上位神達を説得しようとしている。
最上位神も女神の変貌には驚いていた。
「このまま、帝国の人間に馬鹿にされたままで宜しいのですか?
最上位神様、ご決断を!!」
女神が目をうるうるさせながら最上位神に訴えかける。
最上位神は悩んだが、神を蔑ろにしたと言われたら引くわけにいかなかった。
「お前に任せる。」
最上位神のお許しが出るのであった。
「ありがとうございます!」
女神は深々と頭を下げる。
そして‥
ニヤリと笑うのであった。