狙い
いくら本人が望むからって一国の王女様を呼び捨てして、ただで済む訳はないと思っていたが、左右の女性騎士達は特に咎める気はないようだった。
「はぁ〜。」
女性騎士達が動かないのを確認すると思わずため息がもれてしまう。
そんな俺の様子を見てパトラ王女は微笑むのであった。
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馬車の中の緊張感がなくなったので俺はパトラ王女に質問をする事にする。
「それで、帝国の狙いは何でしょか?
俺の命ですか?」
回りくどい言い方はせず、ドストレートを投げ込む。
いきなり俺が核心をついてきたのでクールな表情の女性騎士達も驚いた表情になる。
女性騎士達の反応も良かったのでパトラ王女も多少は表情を崩すかと思われたが‥。
パトラ王女は涼しい顔をしていた。
クソッ、やはりパトラ王女の方が一枚上手のようだ。
俺の質問にパトラ王女が口を開く。
「トウマ様の命など狙ってませんよ。
万が一貴方が命を落とすような事があったら、この世界は女神様によって滅ぼされるでしょうね。」
パトラ王女が笑ってみせる。
まぁ、確かに俺が死んだら女神様は怒るだろうと思う。
命じゃないしたら何が狙いだ?
微笑むパトラ王女の次の言葉を待つのであった。