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車内会議
クロスとかいう帝国の騎士からもらった10分以内で対策を考える事になった。
当たり前だが、俺以外の全員が帝国に行くのを反対した。
「人質がいるから行くしかないだろ。」
何とか説得を試みる。
「そもそも、あの人質は知り合いですか?
見知らぬ他人の為に危険な帝国に行くのは反対です。」
サバルさんが毅然とした態度で反論してくる。
「しかし、他人とはいえみすみす殺されるのを黙って見てるわけには‥。」
正直な気持ちを伝える。
「危険だ。」
アリアが一言だけ口を挟む。
「駄目!」
ミーも断固として譲ってくれない。
ここで、赤ちゃんの容体が落ち着いたので合流していた葵さんが口を開く。
「斗馬さんが帝国に行って、あの人質が解放されたとして‥
例えば、荷電粒子砲を他国に撃てと人質を使って脅されたらどうしますか?
黙って撃ちますか?
それとも人質を見捨てますか?」
葵さんの力強い目が俺を睨みつける。
「どっちも見捨てられない‥。」
俺は弱々しく答えるしか出来なかった。