強襲
帝国の話を聞いて嫌な気分になっていたところに、嫌なニュースが知らされる。
「斗馬さん、悪いニュースです。
取り急ぎ、運転席に戻ってもらえますか?」
いつも以上に深刻そうなNo.9さんの声を聞いて、慌てて運転席に向かう。
葵さんは万が一に備えて赤ちゃんのところに残ってもらった。
「これを見て下さい。」
慌てて運転席に座りナビゲーションの画面を見ると、バスの周りを沢山の兵士に囲まれている。しかも、色は赤なので相手には敵対の意思があった。
数もかなり多そうだ。
「さっきまで全然周りにいなかったのに!」
思わず言い訳を口にする。
「まさかとは思いますが、ナビゲーションに映る範囲を盗賊を使って調べ、赤ちゃんを置いて我々を誘き寄せて、治療に専念しているところを強襲してきた可能性はないでしょうか?」
No.9さんが怖い事を言いだす。
「イヤイヤイヤ、そこまでやりますかね‥。
仮にそこまでヤレるのならかなりの策士が向こうにいる事になりますよね?」
想像しただけでゾッとする。
さらにナビゲーションを見てある事に気がつく。
「ん?
所々に青の丸も存在しているけど‥。」
疑問に思ったのでNo.9さんに尋ねると、かなり表情を崩しながらナビゲーションの画面を切り替えてくれる。
!!!!
そこには鎖に繋がれた女性や老人が映し出されるのであった。