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帰り道4
「サバルさんとイスカさんって、冒険者ギルドでは働く前は何をしてたの?」
盗賊を難なく殲滅して戻ってきた2人に気になる事を聞いてみる。
「ギルドで働く前ですか?
‥‥‥普通に家の手伝いをしてましたよ。」
サバルさんからは期待した答えはもらえなかった。
「え?
元冒険者とかじゃないの!?」
20人相手に無傷で済むんだから、てっきり元冒険者だと勝手に思っていた。
「まさか。
冒険者になれるような強さはありませんよ。」
サバルさんが少し笑って見せる。
え?え?
冒険者ってそこまで化け物なの?
「私達は弱くて冒険者になれなかったので、仕方なく受付になったの。」
今度はイスカさんが自嘲しながら口を開いた。
「こんなに強いのに??」
思わず本音が出てしまう。
「ふふ
これぐらいの強さは皆が全員持ってます。
じゃないとこの世界では生きていけません。」
遠い目で話すサバルさんを見て、この世界の過酷さを痛感させれるのであった。




