運
まぁまぁまぁまぁ、所詮はゲームだよ。
実際のバスの運転で負けるはずがない。
はずはないがバスの運転で勝負するのは辞めておこう。仮にもし負けたら立ち直れそうにないから。
では、何で勝負すればいいのか。
最初と趣旨が変わっているが、そんな事はどうでもいい。
何かないのか、彼女達に勝てるのは‥。
知力、体力はダメだ。
だったらあるじゃないか、運動神経などが一切関係ないアレが‥。
俺は葵さんに頼み込んでアレを用意してもらう。
バーーン!!
アリア達の前に出したのはシュークリームだ。
もちろん普通のシュークリームではない。
からしとワサビと山椒入りの特製シュークリーム。
知力、体力が関係ない運勝負だ。
「俺は一番最後でいいよ。」
女性陣に順番を譲る。
順番で揉めるかと思ったが、すんなり順番は決まったようだ。
アリア、ミー、ロージー、デイジー、エルジーの順にシュークリームを取っていく。
最後は俺だ。
全員にシュークリームが行き渡る。
「それでは、乾杯!」
俺が合図をおくると全員が一斉にシュークリームを一口で食べる。
さぁ、ハズレを引く確率は同じはず。
勝利を確信して、躊躇せずシュークリームを口の中で噛み砕く。
「がらい!!」
俺がハズレを引いたみたいだ。
葵さんには手加減するなと伝えていたので、シュークリームは死ぬほど辛い。
あまりの辛さにのたうち回る。
「な゛ん゛でぇ?」
何で俺に当たったの??
俺が疑問に思ってると彼女達が教えてくれる。
「私は精霊が教えてくれた。」
アリアが申し訳なさそうに話す。
「ボクは匂いだよ。
それ臭かったから。」
ミーがまだ臭うのか顔を顰める。
「我々には危険察知の魔法があるからな!」
魔女っ子三姉妹がドヤ顔で話してくる。
全員運じゃないじゃん‥。
辛さで泣きながら勝負した事を後悔するのであった。




