我慢
アリアの正論に一瞬言葉に詰まるが、ここで負けるわけにはいかない。
「女神様にはあまり関わるなとは言われたけど、あの場面では仕方がなかった。
俺には沢山の人を見捨てる事ができなかったから‥。」
正直な気持ちを伝える。
するとアリアがそっと頬に触れてくる。
「そうやって見捨てられないのがトウマだよね。」
「嫌いになった?」
「まさか。
惚れなおした‥。」
頬を赤くするアリアと唇が重なって‥。
「ちょいちょいちょい!」
いきなりフェリス王女にチョップを喰らう。
「何ですか、突然!」
手加減しているから痛くはなかったが、一応突っ込んでおく。
「『何ですか、突然!』じゃないですよ!
いや、それコッチのセリフですから!!
いきなりイチャイチャはじめて!
ビックリですよ!」
フレスコさんの性格が怒りだす。
「邪魔しないで。」
キスを邪魔されてアリアがフレスコさんに抗議する。
「何が『邪魔しないで。』ですか!
何ですか、この甘々な空気は?
アリアさん、どうしましたか?
私の認識ではもっとクールな感じだったと思いますが‥。
初めて恋愛する子供みたいになってませんか?」
フレスコさんがアリアの異変に気がついて、その事を追求する。
「‥‥‥
私は何百年も我慢して生きてきた。
我慢すれば、全てが上手くいくと思って‥。
でも違った。
トウマのお嫁さんはどんどん増えていくし‥。
もっと主張しないと取られそうで‥。
だからもう我慢しない。
トウマは誰にも渡さない!」
アリアは覚悟を持った目でフレスコを睨みつけるのであった。




