嫁の力
アリアが俺を力強く抱きしめると、何かの呪文を唱える。小声で早口なので全く聞き取る事は出来なかった。
詠唱が終わるとアリアと俺の身体に緑色の霧のような物が現れる。
ビックリしてしまうが、「大丈夫だから。」とアリアに囁かれたので、おとなしくしておく。
「キャァ!」
「ギャァァ!」
「アァァ!」
孫姉妹の悲鳴が聞こえたので振り返ると、巨大な木から生えた蔓によって三姉妹は捕まっていた。
「クソッ、離せ!!」
ロージーが身体を動かして蔓から逃げようとするが、さらに増え続ける蔓が全身を締め上げる。
他の姉妹も同様に捕まっている。
「こんな木、燃やしてやる!!」
デイジーが火魔法を唱えようとするが、火球は発生しない。
「バカな!」
デイジーがお約束のようなセリフをはく。
「だったら私が!」
今度はエルジーが魔法を唱えるが何も発生しない。
「クッ!」
エルジーが悔しがると蔓がさらに締め上げだす。
「離せ!」
「何処を触ってるの!!」
「いやぁぁ!」
何かエロゲーのようなシュチュエーションになってきていた。
ここにきてやっと緑の霧の正体に気づく。
「これって木から避けるために‥。」
俺の答えにアリアがニッコリ応えてくれる。
木の蔓は三姉妹の身体を完全に固定させるのであった。




