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昔話


エルジーに頭を鷲掴みにされている。


くそ〜ロリの癖に何て力なんだ!


頭蓋骨が軋んでいる。


「痛い痛い痛い!」


最初は耐えてみせようかと思ったが、そんなに甘くはなかった。自身の頭蓋骨が軋む音を聞いたら恥も外聞もない。即座に痛い事を口にする。


「話聞きたいよね?」


この期に及んで、俺の返事を聞く気だ。


「き、聞かせて下さい。」


身の安全の為、保身にはしる俺であった。


 ・

 ・

 ・


「アレはそう‥

 まだ私達が普通の魔法使いだったころの話ですぅ。」


エルジーがまるで舞台女優のように立ち上がってポーズを決めながら語りだす。


「ちゃんと腕試しにダンジョンに潜ろうってなった時、それを見つけたわ。」


またポーズを変える。


ポーズ変えないと話せないのかなぁ‥。


「隠し部屋で見つけた謎のポーション‥。

 色は真っ黒で神秘的だったわ。」


またまたポーズを変えながら話すエルジー。


真っ黒なポーションが神秘的?

俺とは感性が違うようだ。

俺なら間違ってもダンジョンで拾った真っ黒なポーションは飲まない。

あり得ない。


「そのポーションをロージーお姉様が飲んでしまったわ。

 後で聞いた話だと、実はその時既にロージーお姉様は身体に変化があったみたいなの。

 でもお姉様はその事を秘密にして、私達にもポーションを飲むように勧めたわ‥。

 その時私達は純粋無垢だったので疑う事もなく飲んでしまった。

 そして三人とも呪われてしまったの‥。」


バン


エルジーは床に倒れると手を空中に伸ばすと何かに懇願するようなポーズをとる。


「何て可哀想な私達‥。」


涙を流し始める。


‥‥‥‥


1ミリも同情する余地が見つからなかった。

無理やり飲まされた等ではなく、ダンジョンで見つけた怪しげなポーションを自ら飲んだのだ。


オロオロ泣きだすエルジーを冷めた目で見つめるのであった。

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