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説明
俺は魔女っ子を助ける為、つい反射的にバスから飛び出してしまった。さらに服をガッチリ掴まれて逃げられそうにない。
「お金ならあげますので、助けて下さい。」
物語に出てくる、襲われるNPCの様なセリフを言う俺。
「お金???
そんなのいらないのだ。
欲しいのは‥‥。」
魔女っ子がニヤニヤ笑いながら俺の事を見てくる。
「なに?
欲しいのって‥
まさか!?
命とか言わないよね?」
どんどん恐怖心が増していく。
「イヒヒヒヒ
そんな怖がらなくて良いのだ。
命とかいらないのだ。
私達はこの界隈で有名な優しく可愛い魔女。
とりあえずお兄さんの事を教えてくれる?」
魔女っ子から笑顔が消え、真顔になる。
ちょっ、いきなり真顔って!
とにかく相手を刺激しないように余計な情報を言わないようにする。
「冒険者のトウマです。
ごくごく普通の人間です。
好きなのは乗り物です。」
よし、無難な自己紹介だ。
ん?
俺を掴む魔女っ子の手が震えている。
????
「何が普通の人間だ!!
私達の本気の攻撃に耐えられる人間がいるか!!
はぁ?
舐めてんじゃねぇぞ!!」
あっ、これはダメなやつだ。




