受付嬢からの依頼3
震えながら土下座するノコさん、そしてそれを見下ろすシキさん。
何なのこの光景は?
とりあえず俺が話さないと事態が動かないようなので口を開く事にする。
「何故ここにシキさんが?」
単刀直入に切り込む。
「護衛。
‥‥‥‥。」
シキさんは満足そうな顔になる。
「え?
それで終わり?
もっと説明する事あるだろ?」
俺の質問にとたんに表情がくもる。
「察して。」
いや、だから何を?
いかん、このままだと埒があかない。
こうなったらシキさんは後回しだ。
俺はガタガタと震えるノコさんに話しかける。
「で、物資を届ける相手はどんな人ですか?
正直に話さないとシャドウに命令しますよ。」
本気で命令するつもりはないけどノコさんを脅すにはいいだろう。
案の定、ノコさんは説明を始める。
「実は‥‥‥
相手の方々は少々有名な感じで‥‥」
ノコさんはかなり動揺していた。
「その‥‥
‥‥の三姉妹で‥‥」
声が小さ過ぎて聞こえない。
「え?
何の三姉妹って?」
聞き取れない部分を尋ねる。
「ですから‥
魔女の三姉妹でして‥‥」
異世界で初めて聞く魔女に少しだけ興味を持った。
「魔女の三姉妹。
シキさんは知ってるの?」
情報に精通しているシキさんに尋ねる。
すると普段は無表情なシキさんの顔が驚いていた。
「え?
そんなにヤバい魔女なの?」
嫌な予感がするので大事な事を尋ねる。
「数々の逸話を残す三姉妹。
ついたあだ名が『ケロベロスの魔女』。」
シキさんが流す汗を見て、思わず生唾を飲むのであった。