そろそろ上がりませんか?
急にシリアス展開になるが、ここはお風呂の中だ。
お湯の温度も少し高めだったので、そんなに長く入れそうにない。すぐに上がりたいが話の腰を折るわけにはいかないので我慢する。
お願い!なるべく早く終わってね。
国王の話がはじまる。
「ルナが騎士団を作ってしまった。しかも全員女のだ‥。」
「女の子だと何か問題でも?」
俺の質問に2人は驚いていた。
「使徒様はあまりこの世界の事を知らないようだな。この世界で女が活躍出来ることはない‥。能力がないとかではなく、そもそも挑戦すら出来ないからだ。」
うわぁ、今の発言を地球でしたらボコボコに叩かれるだろうね。
「ただでさえ女が活躍出来ないのに、騎士団を作ってしまったのでその反響は凄かった。」
国王が当時の事を思い出したのか影を落とす。
「叛乱寸前までいったからな‥。」
宰相の声もどことなく元気がない。
うん、そろそろ限界かも。
あー、シンドイ。
でも、さすがに上がりましょう!とは言えない雰囲気だよ。
「ルナはそんな男社会を変えたいと思ったのだろうな。あとは純粋な正義感だろうか‥。ただ、そのせいで何人もの人間が死んでおる‥。」
あまり聞かない方がいいような話になってきたような‥。
「騎士団のせいで結婚相手もいなくて困っていたんだ。無理やり騎士団を解散させるのも可哀想だし‥。そんな困った時に現れたのが使徒様なんだよ!」
国王が興奮したのか俺の目の前で立ち上がった。
いや、俺の目の前に立たれるとアレが目に入るじゃん。
俺の暑さとの戦いにアレを見せられるという苦痛までもプラスされるのであった。