警告
場の雰囲気が悪くなった状態なのに、空気の読めないルナがさらに燃料を投下する。
「トウマ様が人に向けて攻撃が出来るでしょうか?」
サラ、フレン、イザベラが今度は強めに舌打ちする。ルナ本人に聞こえてもいいと思えるぐらい怒っていた。
「出来る、出来ないじゃないの!
やるの!!」
激昂したサラが叫ぶ!
「女性がやっと陽の目に上がりだした時にまた男に邪魔されたのですよ!
今まで、どれだけ女性が男性に力で負けてきたと思っているのですか?
女性の明るい未来のためにも、ここは心を鬼にする時では?
貴女は王族ではないのかしら?」
サラとは違いフレンは叫ぶことはなかったが、その声は力強かった。
怒れるサラとフレンと違い、イザベラは優しくルナに話し掛ける。
「ルナ様のおっしゃる事もわかりますので、一度だけ戦いを止めるように警告してみましょう。
もし、それで相手が止めるようでしたら殲滅はしません。
ですが‥
止めないのであれば殲滅しましょう。
のちの災いになるでしょうから‥。
ルナ様もそれで宜しいですか?」
声色は優しいが目には力があって、ルナも頷くしかなった。
サラとフレンはサラが頷くのを見て口角を上げ、喜ぶ。なぜなら、トウマの力の事を知らない男達が女性からの警告に耳を傾けるはずがないとわかっていたので。
こうして斗馬のいない場所で次なる戦いの準備が着々と行われているのであった。
 




