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使徒の力


 軍務大臣の妻イザベラが詰め寄るが、ラサはそれを手で制して説明を始める。


「ちょっと落ち着いて下さいませ。

 確かに10万を超えるモンスターを一掃するなど普通は現実的ではありませんが、女神の使徒様であるトウマ様になら可能なのです。」


サラは少し大袈裟な手振り立ち上がって説明する。


「さすがトウマ様!」


全員が立ち上がって拍手を始める。


ちょっとやり過ぎたかなとサラは心の中で思っていた。


その後、10分ほど興奮状態が続いていたが宰相の妻フレンが動きだす。


「皆様、そろそろ話を戻します。

 静粛に!」


フレンが手を叩いて全員を落ち着かせる。


いきなり大きな音がして驚いたのか、部屋の中が静かになった。


「それでは、宜しくお願いします。」


フレンがサラに続きを促す。


「それでは、続けます。

 良い知らせの次は悪い知らせになります。」


全員に緊張がはしる。


「グスタフ辺境伯が反乱を企てているようです。」


サラの言葉に全員が目を見開いて驚いた。


「そ、それは本当の事ですか!!」


宰相の妻フレンが取り乱しながらサラに問いかけるのであった。

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