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二つの知らせ


「良い知らせと悪い知らせが一つずつあります。

 皆様はどちらから聞きたいですか?」


静まった部屋にサラの声が響く。


その後、誰も反応しないので宰相の妻フレンが代表して口を開いた。


「誰も発言しないので私が決めますね。」


フレンの言葉に数名がピクリと反応するが、発言にケチをつける人物は現れなかった。


「では、良い知らせを聞かせて下さいませ。」


フレンが代表して決めてしまう。


「わかりました、良い知らせの方ですね。

 では‥

 グレイン王国の救援に向かったトウマ様ですが、10万以上の敵を一掃したそうです。」


サラの言葉にその場の全員が息をのむ。


「お姉様!

 それは本当の事でしょうか?

 それでトウマ様は無事なのでしょうか?」


ルナが食い気味に問うてくる。


さらにこの場の全員が同じ思いなのかざわつきだす。


「ちょっと落ち着いて下さい。

 トウマ様もですが、アリアさん達も無事なようです。

 グレイン王国からの報告なので詳細は不明ですがね‥。」


サラが少し残念そうな顔をする。


とりあえず斗馬の無事を聞いて全員が安堵する。


「10万の敵を一掃!?

 そんな事があり得ますの??」


軍務大臣の妻イザベラが信じられないのかサラに詰め寄るのであった。

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