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鷲掴み
フェリス王女の親子喧嘩が続いていた。
「ここは親子水入らずにしておこう。」
俺はそう言うと部屋を後にしようと‥
ガシッ
サバルさんに頭を鷲掴みにされる。
「何処に行くつもりですか?」
「いや‥
感動の再会を邪魔するのは‥」
ギリギリ
頭を掴む手が強くなる。
「痛い痛い痛い!」
あまりの痛みに泣き言を言いながら手を外そうと試みる。
「逃しませんよ!
貴方の脇が甘いせいで、また女を増やして!!」
サバルさんは片手から両手に切り替えて、俺を逃さないようにする。
軋む頭蓋骨。
「反省しなさい!」
尚も手の力を強くする。
「ごめんなさい。」
その後も謝り続けて、何とか許してもらうのであった。
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女性陣も落ち着いたので、やっと一息つけた。
「そう言えば、フェリス王女は?」
葵さんの指摘で室内にフェリス王女が居ない事に気がつく。
「トイレでしょ。」
王女に忖度なくストレートな物言いをするNo.9さん。
ブレないなぁと感心させられるのであった。