調査2
フェリス王女に現状を説明するのが今回の目的だが、どうやって信じてもらうか。
いろいろな言い回しを頭の中でシュミレートするが、どれもピンとこなかった。
女性陣の視線が俺に集中しているのも感じて、それがさらにプレッシャーになって俺を焦らす。
そんな中、誰かの手が肩に置かれる。
一瞬ビックリするが、驚いた事より手から伝わるよう温かさによって焦りがなくなっていった。
「これ!
また一人で考えおって!」
アリアに一喝される。
「お主には我らがいるのであろう?
そう焦るでない。
正直に事実を伝えれば良い。
フォローは我らがする。」
アリアが肩に置いた手に力をいれる。
その手の力強さに元気付けられたような気がした。
俺は深呼吸して呼吸を整えると、フェリス王女に向き合った。
「お待たせして、すみません。
まずは現状を説明します。
いろいろ思う所はあると思いますが、まずは話を聞いて下さい。」
俺がフェリス王女の目を見据えて話すと、ゆっくりと頷いてくれた。
「これは事実なのですが、フェリス王女の身体には3人の魂が存在しています。」
話を聞いた瞬間、フェリス王女が俺に詰め寄ろうとするがそれを手で制した。
あえて口にはせずに目で最後まで聞いて下さいと訴えると渋々納得してくれる。
「すぐには信じられないでしょうが、事実です。
女神の使徒である私を信じて下さい。」
俺はフェリス王女の目をしっかり見ながら話す。
フェリス王女はかなりショックを受けているのか、顔色が悪くなっている。
「ちなみにそのうちの1人は‥
お主らの母親だ。」
アリアの言葉に見を見開いて驚くのであった。