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コントロール
最も大切なフェリス王女に怒られてしまった。
今まで怒られた事はなかったのに‥。
コイツのせいで!!
負の感情が一気に爆発する。
でも、これ以上すればフェリス王女に嫌われてしまう。
そんな事になれば私は生きていけない。
どうすればいいのだ。
まずは冷静になろう。
このままでは最悪な方向にいってしまうので‥。
心を無にする。
そして‥
この男を受け入れるのだ。
フェリス王女が曲がりなりにも愛している男だ。
私も愛せるはず‥
思考を切り替えろ。
コイツをフェリス王女に置き換えろ。
よし!コントロール出来た。
私は愛おしくなってきた男にキスをする。
それは生まれて初めてのキスであった。
私がキスした瞬間、フェリス王女が静かに口を開いた。
「わ、私より先に手をだすとは‥
良い度胸ね。」
物静かな声色に逆に恐怖を感じるのであった。




