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落とし前
良い感じだった王様がいきなりチンピラに豹変してしまう。
さっきまでの優しい笑顔が想像がつかない程変化してしまった。
目がすわっていて怖い。
この世界にガム何てだろうに何故か口をクチャクチャさせている。
さぁ、どう落とし前をつければいいんだ。
「お、お詫びさせて頂きたいと思います。」
なんとか勇気を振り絞って無難な答えを伝える。
「はぁ?」
チンピラの顔がさらに近づく。
「オンドレは、可愛い娘を傷物にして詫びだけで済ませるつもりかぁ?
あぁ?」
もう、どこの世界の住人だよこの人。
「傷物って‥
ちょっと口と口が触っただけですよ。
ほら、挨拶的な?」
恐怖からかなり無茶苦茶な返答をしてしまう。
「挨拶?
あぁ?
どこの世界に口と口をつける挨拶があるんかぁ?」
チンピラが唾を飛ばしながら怒ってくる。
『この世界にです。』
とは言わずにのみこむ。
謝罪もダメで、どうすればいいんだ。
ここは素直に聞くか‥
「どうすればいいですか?」
するとチンピラが俺の胸ぐらを掴んで一言。
「自分で考えろ!!」
さらに追い込まれるのであった。