急展開
フェリス王女と話を終えると王様が近づいてくる。
とくだん怒ってるいる様子は見られないが、足取りは重いように感じた。
王様の後をフェリス王女が歩いているが、こちらは終始和かである。
王様が俺の目の前に立ち止まる。
さぁ、何を言う?
もしくは1発なぐられるかな?
俺は歯を噛み締めてその時を待つ。
「城壁の修復ありがとう!
まだ途中であろうが、先にお礼を伝えたくて‥。
それにモンスターの脅威から王都を守ってくれて、ありがとう。」
王様が俺に頭を下げる。
お、思っていたのと全然違った!!
かなり驚かされたが、殴られなくて良かった。
「王様、頭をお上げ下さい。
私は女神様の指示に従ったまでです。
使徒として当たり前の事をしたのでお礼は不要です。」
本当は指示などされていないが、話がややこしくなるので良い感じに話を捏造する。
「それでも、国民を代表してお礼をお伝えしたかった。」
王様がまた頭を下げる。
おー、何て出来た王様だ。
何度も頭を下げる王様に感心するのであった。
「はい、王様の仕事終了!
ここからは父の番です。」
王様は頭を上げるとパン!と手を叩くと表情を切り替える。
「おう!
よくもうちの娘を傷物にしてくれたな?
どう落とし前つけるつもりだ?」
王様が目の前でチンピラに代わるのであった。